福島原発行動隊「原発を享受してきたのは我々世代。若い世代に責任はない」
週刊SPA!9/13発売号「シニア決死隊の決意 オレたちが悲劇を終わらせる!」では、平井さんほか、シニア決死隊有志の声を聞いた。
取材・文・撮影/田中裕司
「子や孫を被曝から守りたい」と、「福島原発行動隊」(シニア決死隊)の有志が動き出した。本丸である福島原発での作業を待ちわびながら、8月下旬、福島第一原発から29kmの被災地・福島県いわき市久之浜地区の草刈りボランティアに汗を流したシニアたち(60歳以上)の素顔に迫る。
ボランティア企画者のひとり、平井秀和さん(67歳)は、原発事故収束のために働く若い作業員のことを見聞きするたび、「胸を刺す痛みに苦悩していた」という。
「放射線の影響を受けやすい若者たちが、どうして犠牲にならないといけないのでしょうか。まるで特攻隊の構図を見ているようだ」
行動隊の存在は、mixi仲間から5月中旬に知った。平井さんは、3人の子供たちを集めて“志願”への思いを打ち明けた。
「『孫が年ごろになったら、このことを伝えるよ。お父さんのことを誇りに思う』って言ってくれました。原発の電力を享受してきたのは我々の世代。若い世代には何の責任もありません。残りの人生、日本の未来のために尽くしたい」
平井さんには配管工の経験もある。27歳のとき仲間と、静岡・焼津の水産物を直接買い付けて魚屋に販売を始めた産直の元祖。その後独立し、八王子魚市場内に店を出す。大型店の台頭を前に店をたたみ、保険代理業を始めて今に至る。
「行き当たりばったりの人生だからね。放射線に鈍感な年寄りの出番ですよ」と笑い飛ばした。
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