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どう違う? 得する「ほめ言葉」/損する「ほめ言葉」

何げない一言が相手に好印象を与えたり、予想だにしなかった地雷を踏んでしまったり。げに、コミュニケーションは難しい。そこで、どんなもの言いが、お得に効果的なのかを考えてみた! 【ほめる】 ほめる「仕事を見せると『素晴らしい!』とよく言う先輩。本心じゃないだろうと思いつつうれしい」(30歳・男・商社)というように、誰だってほめられて悪い気はしない。  本特集では「意識的に使っているフレーズや言い回し」をアンケートしたのだが、そこでもやはり、多かったのはほめ言葉。 「『プロですね!』『持ってる人は違うな~』『キテますね』など使いまくってます」(40歳・男・広告)、「部下には『さすがだね』の一言でやる気に火をつける」(41歳・男・SE)と、それが奏功しているかはともかく、ほめて伸ばすは職場でも基本のよう。  コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子氏はさらに、「どこを評価しているのか、具体的に指摘するとより効果的」と言う。 「ただ、『すごいね』だと具体性に欠けます。どこがよかったのかの感想を添え、『努力した成果だね』など、そこに至るプロセスをほめると相手の充実感を引き出せます。さらに、『この間の企画、会議で評判がよかったよ』と、第三者からのほめ言葉をさりげなく伝えると喜びは倍増するでしょう」  しかし一方で、「先輩に『すごいですね』を連発したらバカにしてるのか!?と怒られた」(35歳・女・出版)という人もいて、相手との関係性や言い方によってほめるのも逆効果になるから難しい。 ほめる ビジネス心理研究家の神岡真司氏によると、「ほめるというのは本来、“上から目線”の行為なんです。目上の人に『すごいですね』は失礼。『勉強になります』『感銘を受けました』と下から敬意を表しつつ言うのが正解」。  杉山氏もまた、「先輩や上司への『さすがですね』は口先だけのお世辞と誤解されかねません。『私もこういう資料を作れるようになりたいです』と具体的に付け加えることで尊敬の気持ちが伝わる」。  ほめることが有効なのは、ビジネスシーンばかりではない。 「合コンの『さ・し・す・せ・そ』――さすが! 知らなかった! 素敵♪ センスいい~ そうなんだ――はフル活用。便利」(30歳・食品)と女性に言われるとビミョーだが、ほめようとする姿勢は見習うべきか。また、ほめどころが見当たらない残念な相手でも、「“雰囲気”“おしゃれ”“センス”など、ほめるポイントはどこかにあるものです。このとき、身につけているモノそのものより、それを選んだあなたが素晴らしいとその人自身をほめるとよりうれしいはず。また、『いつもセンスいいですね』と『いつも』『今日も』をつけるとさらに好印象です」(杉山氏)   が、なんでもかんでもほめると見え透いたお世辞に聞こえる。「あえて一点にしぼって、言葉に重みをもたせることも重要」(同)だということをお忘れなく。 <ほめるフレーズ辞典> ○「勉強になります」 ほめ言葉は本来、上から目線のもの。特に目上の人に対しては、尊敬の念が伝わるように下から目線で △「さすがですね」 言われてうれしい場合もあるが、相手との距離感によっては、口先だけの軽い印象を与えかねない ×「すごいですね」 具体性に欠けるため、相手の心を動かさない。相手を観察してほめるポイントを見つけるべし 【杉山美奈子氏】 コミュニケーション・インストラクター。山梨学院短期大学非常勤講師。『暮らしの絵本 話し方のマナーとコツ』は37万部のベストセラーに。ほか、『できる大人のモノの言い方・話し方』など著書多数 【神岡真司氏】 日本心理パワー研究所主宰。ビジネス心理研究家として法人対象のトレーニング、人事開発コンサルティングなどを行う。『思い通り相手が動く 強い話し方 賢い伝え方』など著書多数  イラスト/岩井勝之 ― [得するフレーズ/損する言い方]辞典【1】 ―
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