コミュニケーションの基本は「承認欲求」を満たすこと
何げない一言が相手に好印象を与えたり、予想だにしなかった地雷を踏んでしまったり。げに、コミュニケーションは難しい。そこで、どんなもの言いが、お得に効果的なのかをビジネス心理研究家の神岡真司氏に伺った
◆「承認欲求」を満たす言葉がすべての基本
生物の本能に、個体維持、種族保存という生存欲求があります。自分を否定し攻撃する存在が現れると、緊張し身構えてしまう。反対に、自分を認め、受け入れてくれる人には好意を抱く。この本能的な願望が「承認欲求」で、これを満たしてあげることがコミュニケーションのいろはの「い」です。
「なるほど」といった受け入れの言葉で会話のピンポンがスムーズになるし、「キミがいてくれて助かった」と言われれば、人は存在を認められたわけですからうれしくなる。すると今度は「返報性の原理」という反応が生まれます。前回(https://nikkan-spa.jp/566930)でも説明しましたが、返報性の原理とは、簡単に言うと「お返ししたくなる」心の動きです。自分を受け入れてくれる相手はこちらも受け入れたい。これは逆に言えば、相手の気持ちを受け止めてあげないと、心を閉ざしてしまうということはおわかりですよね。
とはいえ、いつでも唯々諾々とする必要はありません。相手に合わせない反同調が必要なときもあります。対等に互いを認め合えるような関係を築ける言葉を選んでいくことが大切なのです。
【神岡真司氏】
日本心理パワー研究所主宰。ビジネス心理研究家として法人対象のトレーニング、人事開発コンサルティングなどを行う。『思い通り相手が動く 強い話し方 賢い伝え方』など著書多数
― [得するフレーズ/損する言い方]辞典【4】 ―
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