頼みごとを“快く引き受けてもらえる”フレーズ集
何げない一言が相手に好印象を与えたり、予想だにしなかった地雷を踏んでしまったり。げに、コミュニケーションは難しい。そこで、どんなもの言いが、お得に効果的なのかを考えてみた!
【頼む】
頼み事は厄介なことほど切り出しにくい。だからか、自分なりの決め言葉を考えている人も多い。
「その人の実力を買ってなくても『○○さんだけが頼りなんです』と言い、仕事がマンネリ化している相手には『○○さんなら安心して頼めます』と持ち上げると、手を抜かれない」(30歳・男・IT)、「日頃から『○○さんには感謝してます』と伝えておくと、ムリも言いやすい」(37歳・男・出版)。
とまあ、多いのは「あなたを見込んで!」を強調するフレーズだ。
「人は期待されると自尊心がくすぐられ、断りにくくなります。さらに『キミだから~』という限定的な言葉も追加すると、より用件を受け入れやすくなる」(ビジネス心理研究家の神岡真司氏)
この自尊心を逆にくすぐり、「部下の得意分野ならば、『さすがのキミでもムリかなあ』と言えば、プライドを刺激され身を乗り出してくる」(同)なんて手も。
が、当然のことだが、相手を思いやる言葉も忘れてはならない。
「『忙しいところ悪いんだけど~』と気遣うのも大切です。が、ただ、これだと『面倒なことを押し付けられる』と身構えられる場合もあります。いつまでに/どのようにという条件を明確にし、『わからないことがあったら聞いて』など、フォローするという意思も言葉にして添えるといい」(コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子氏)
ただし、相手のことを思いやったつもりでも失敗する例もある。
「『これをやれば成長するよ』は避けたほうが無難です。それを判断するのは自分自身。単なる口実ともとられかねません」(同)
一方で、仕事を受ける側だって、「『精いっぱいやりますので、フォローしてください』と返します。『一人じゃムリです』よりは印象がいいので」(27歳・女・保険)、「『○○さんのためなら頑張ります!』『お安いご用です』は、言われたほうも悪い気はしないと思うのでよく使う」(31歳・女・流通)と気を使っている。こういう部下ばかりならいいのに……。
<頼むフレーズ辞典>
○「キミにだから」「キミでもムリかなあ」
自尊心の高い人ほど通じるフレーズ。「さすがにムリかなあ」は相手の得意分野でなければ効果がないことも
△「忙しいところ、申し訳ないんだけど」
気遣いの一言は基本。だが、相手との関係性や仕事量によっては「面倒事を頼まれる」と構えてしまう人も
×「これやると、成長すると思うよ」
重要な仕事ならまだしも、簡単な頼み事だと真実味がゼロ。成長の糧になるかどうかは本人の判断に任せよう
― [得するフレーズ/損する言い方]辞典【5】 ―
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