アベノミクスで輸入中古車がバカ売れ!オススメは“パ・リーグ系”
異次元の金融緩和の影響で、一部自営業者などにいきなりジャブジャブお金が集まり1000万円級の中古ドイツ車がバカ売れしています!でも、ポルシェとかじゃなく“ラテン車”に注目すれば庶民でも、手頃な予算でかなりステキなクルマ生活が送れるとか。そのへんの事情を、中古車評論家の伊達軍曹が解説します!!
伊達軍曹=文 Text by Sergeant Date
阿部昌也、フォッケウルフ=写真 Photographs by Abe Masaya Fochewulf inc.
◆アベノミクスで狙いたい!?ラテン系ステキ中古車“真実の購入”ガイド
アベノミクスの影響を受け、高級輸入中古車がバカ売れしている。『SPA!』とツイッターと身内のフェイスブックしか読まないボンクラ諸君は知らないだろうが、中古でも1000万円を軽く超える1世代前のポルシェ911GT3などが、与沢翼じゃないが秒速で売れているのだ。
最新のメルセデス・ベンツAMGの新古車とかも似たような状況だが、そういったゲルマン勢だけを貴ぶ風潮には一石を投じたい不肖軍曹である。
なんつーかこう、ドイツ車って今や「読売ジャイアンツ」だと思うんですよね。
ジャイアンツはたしかに強い。だが「カッコいいか?」と問われれば微妙なのが、今世紀の読売ジャイアンツである。昔は巨人軍入団を真剣に目指す野球少年がモテたが、最近では楽天入団とかを目指したほうがモテるのではないか。
そう、時代はパ・リーグだ。マー君やダルビッシュ、イチローといった近年の大選手がおしなべてパ・リーグ系というのも象徴的だ。
それと同様に輸入中古車も、これからは断然“パ・リーグ系”がオススメである。権威の権化であるドイツ車ではなく、もっとマイナーで、しかし不思議と元気が良くて盛り上がっている、まるで東北楽天イーグルスとか北海道日本ハムファイターズのようなクルマ。具体的にはイタリアやフランスの“いわゆるラテン車”だ。
自分は数年前にこの潮流を察知し、爾来イタリア製中古車を主に購入している。
現在の愛車は写真の’94年式ランチア・デルタHFインテグラーレ。官能大国イタリアが生んだ不世出の官能的ラリーカーである。エンジンをちょいと回すだけで、いや姿を見ているだけでもウルトラ陶酔できる、最高のクルマである。購入価格は245万円。激安ではないが大して高額でもない。
しかし、こういうことを言うと必ず“中古のイタ車なんて壊れまくるに決まっている!”的な有象無象が湧いてくる。これだから『SPA!』とツイッターと身内のフェイスブックしか読まないボンクラは困る。
いいですか? まずランチアについて言うと購入から1年半走ったうえでの修理代は、前輪ブレーキホース交換の約2万円だけ。正味の話そんだけよ。その前に乗っていた’99年式のアルファGTVも、2年ぐらい乗って壊れたのは前輪ブレーキホースだけ。最重要保安部品であるブレーキに故障が集中している点は微妙だが、そんな程度なのよ、現実は。
“宇宙イチ壊れる”と噂されるデルタでそうなんだから、あとは推して知るべし。
過剰に騒いでいるのは中古ラテン車を実際には買ったことのない者と、“人間力”に欠ける者だけだ。
人間力の欠如というのは、たとえばの話、平均相場が200万円はするラテン中古車で、見た目はキレイな100万円の物件があったとして、「この物件は相場の半値ですけど200万円のブツに全然負けてません! いやむしろそれ以上! 絶対すぐ売れちゃうんで早い者勝ちです!」みたいなことを中古車屋に言われて、「そうなんだ。じゃ、買います」ってやる人のことですよ。それって「お願いですから1億円受け取ってください!」みたいなメールにホイホイ返信するようなもので、あるわけないでしょ!
“ある程度マジメに中古車ビジネスをしている人”と、そうでない人とを見分けられる人間力さえあれば、ラテン中古車の購入なんて全然難しいことじゃない。
もちろん、ヒドイ物件を売っている店も相変わらずあるけど“ある程度マジメに中古車ビジネスをしている人”は、極端にヒドイものは売らないんだよ。
なぜならば、そういうのを売ると後でモメて面倒くさいから! 古風な悪徳店もまだあるけど、そういう店ってごくフツーの人間力さえあれば「いかにも」って感じですぐわかるんだから、そんなのに引っかかるほうが悪いんだよ!
【結論】
古めの中古ラテン車はたまに壊れるが、ちょこっとだから心配するな。新しめなら壊れる心配なし!ただラテン車は、いわゆる味わい関係は古めのクルマのほうが断然イイんだよね!
⇒【後編】「“伊仏”輸入中古車100万円~の狙い目を厳選!先代カングー、アルファGTA、etc.」に続く(https://nikkan-spa.jp/569023)
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