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アートユニット・明和電機「生き物が持っている情念や生々しさに惹かれる」

明和電機は、デジタルとアナログを融合させた楽器作りからアイドルのプロデュースまで、幅広く活動するアートユニット。そんな明和電機に、モノ作りの秘密やデジタルの魅力をお聞きした。

明和電機――たくさんの製品を見せていただきましたが、どういうところにデジタル技術を使っていますか?

土佐 :まず初めにアート作品を作って、それをマスプロダクトの製品に落とし込むという流れで作ります。マスプロダクトの試作は、昔は職人さんの手作りだったのですが、今はコンピュータで設計し、3D造形機で作るので、図面ができて2日後にはポンと試作品ができます。

――明和電機さんが機械で楽器を作るのはなぜですか?

土佐 :生き物が持っている情念や生々しさに惹かれるのですが、それをそのまま見せると気持ち悪いので、それを矯正するために理性=機械を使っているっていう感じですね。SMのムチみたいな……こういう作業服着て人当たりの良さそうな格好をしていますけど。

――明和電機さんの作品はシンプルさを貫いている印象を受けます。技術の発達で作品を複雑化しようという思いはありますか?

土佐 :やってて思うんですけど、面白いものってシンプルです。単純さがおもちゃには特に必要で、「わー!」っていう直感性がないと売れないんですが、あの機能もこの機能もってつけ足していくとどんどんダメになるんです。

――最新ガジェットよりも、手作りにこだわっていきたいですか?

土佐 :そんなことはないですよ。オタマトーンのアプリも出しましたし、日本科学未来館の展示ではアナログ楽器をデジタル信号で動かすアプリも作りました。私生活で電子ガジェットオタクなんで。アイデアのスケッチももっぱらスマートフォンで取り込んでいます。とはいえ、やっぱり手で作って考えることは大事。チワワ笛のアイデアが先にあってオタマトーンができたんですが、その元はお菓子の箱を使った手作りの模型です。

――モノ作りにおいて、今のデジタル化はどんなメリットをもたらしているのでしょうか?

土佐 :「見せる」ということに関してすごく便利な時代になったと思います。昔なら作品を美術館に置いたり、自腹を切って写真集を作ったりしなければできなかったことが、YouTubeなどで簡単にできます。今はアートをデジタルで見せることに誰でも参入できます。モノ作りとデジタルって一見相性が悪いように思いますけど、ことプロモーションということに関してはデジタルは素晴らしい。日本は大人も遊ぶ国ですし、デジタルガジェットを使えば誰でも自分の作品を発信できますよ。

ハウガン

アトリエには、ライブで使用する楽器が厳重に収められている。犬の鳴き声の出る「ハウガン」を演奏中の土佐社長

【土佐信道】
明和電機代表取締役社長。1993年に実兄・土佐正道氏とともにアートユニット「明和電機」を結成。展覧会やライブの他、CDやビデオの制作、本の執筆など新しい方法論を模索している




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