“3年ビジョン”の「eワラント」で今年中にガッツリ稼ぐ極意伝授
◆オリンピックまでは待てません、投資するなら「今でしょう」!?
「オリンピックまで相場は安泰」という楽観論が広がるなか、「小泉郵政解散後の状況にそっくり。その後リーマンショックで……」と状況をクールに分析するeワラント証券COO土居雅紹氏。こんなご時世だからこそ、「3年先まで」を見越して、「今何に、どう投資すべきか」を考える必要があるという
◆TVの娯楽番組と高級品好調は’06年によく似ている?
勝ち抜け! サバイバル投資術』では、数年ごとに必ずおとずれる「市場ショック」「突発ショック」から身を守る「半年投資術」を提唱している。その投資哲学からすると、世間が「オリンピックまでは安泰」と考えるなら、そこに必ず投資の落とし穴が生まれる。これを回避するには、たとえ今年1年の相場の展望といえど、3年先まで見通した中で改めて位置づける必要があるという。
そこで見せてくれたのが、今後3年間で注目すべき10大イベント(※下グラフ参照)である。
「’14年こそおだやかですが、’15年秋から’16年にかけては『これでもか!』というほど景気を冷え込ませるイベントが続きます。この【3年ビジョン】から逆算すると、日経平均が1万8000円くらいまで上がる可能性のある今年中にしっかり稼いでおくべきという結論です」
◆中間選挙でオバマはアヒルに?
’14年、大きなイベントは2つだ。
「4月は消費税増税第1弾。駆け込み需要が期待でき、大規模な経済対策で景気減速を防ぐといってますが、4月以降の反動がこわいですね。
そして11月は米中間選挙。昨年予算でモメたねじれ現象を解消するためにオバマ民主党は巻き返しを狙いますが、もし上院も共和党が過半数取ればオバマ政権は何も決められない『レームダック(足の不自由なアヒルの意)』になって株価的にはマイナスです」
◆北陸に新幹線は走り、米軍が韓国から出る’15年は?
’15年のイベントは4つ。
1月の相続税増税では控除額が4割少なくなり、最高税率が50%から55%になる。
「相続税を払えなくて土地を手放す人が増えるので地価が下がり“逆資産効果”で景気はマイナスです」
明るい話題は、3月の北陸新幹線開通くらい。
「金沢や北陸の価値が上がりますから、金沢に本社のある企業の株を’14年中に仕込んで開通で手仕舞うのが有効です」
そして、10月の可能性が強そうな消費税増税第2弾。
「やはり景気は冷え込むでしょう。公共投資頼みへの批判も出てきますから、駆け込み需要の効果がなくなる半年後、’16年春頃が要警戒です」
意外に知られていないのが12月の、現在米国が持っている韓国戦時作戦統制権の韓国軍への移管。近年、韓国側の反米感情の高まりに米国も嫌気を感じていて、在韓米軍は大幅縮小の可能性が強いという。
「すると鼻息が荒くなるのが北朝鮮。状況次第では株安の要因にもなりかねません」
◆マイナンバー、リオ五輪……’16年は要警戒!
’16年は、いまはまだ予測しにくいイベントが多いが、金融取引にIDが必須になる1月の「マイナンバー制度」スタートは、意外に相場への影響が強そうだという。
「財産が丸裸になりますから、超富裕層やアングラマネーは資金をこれ以前に海外に流出させる可能性大。すると以後は円高に動きやすくなり大幅株安も」
7月には参院選も控えている。
「安倍人気も息切れの頃。ならば自民党は資金力で有利なダブル選を狙いますが、それでも過半数割れで前回首相時の安倍さんを悩ませたねじれ再現なら、政治停滞から再びデフレに突入する可能性もありますね」
8月には、ブラジル・リオ五輪。
「五輪後は世界景気後退のジンクスがあります。しかもブラジルは巨額の赤字国。デフォルトなんてことが起これば、投資信託などで多額の資金を入れている日本への影響はかなりあります」
そして10月には米大統領選挙。
「ヒラリー・クリントンが有力ですが、ライバルもさるもの。『大統領選の前年は株が上がる』といわれていますし、’15年中に売り抜けるのがいいかもしれません。そして、本当に’16年に暴落すれば、またしても『10年周期』にぴったりです」
いずれにしても、「オリンピックの2020年まで日本経済は好調です」は「と・ん・で・も・なーい」。買うならやはり2014年なのだ。
【ド素人のためのeワラ基礎知識】
株式、複数の株をセットにしたバスケット、金などの商品、日経平均などの指数、ドル円をはじめとする為替と、幅広い投資対象が選べるeワラント。一見複雑そうだが、投資対象が値上がりすると思ったら「コール」、下がると思えば「プット」を、リスク(トウガラシの本数で示される)とレバレッジ(値動きの大きさ)を考えて選べばいい。あとは値動きを見て売却するか、満期で清算されるのを待つだけだ。
直接投資には最低数十万円必要な大型株へも3000円程度から投資できるし、先物取引のような追証がないから投資額以上の損失もない。ビギナーにもぴったりな「投資のバッティングセンター」(土居氏)だ。バリエーションとして日経平均/米ドル相場がいくらになるか予想し、投資してレバレッジがきく「ニアピン」、国内外の株価指数、為替相場、商品相場を対象に満期まで数年の中長期投資ができる「トラッカー」(レバレッジなし)、今回「一本決め」に取り上げた「レバレッジトラッカー」がある。
★3000円から投資可能
★値上り=コール/値下り=プット
★最大損失も投資額まで
【土居の1本決め!】
<銘柄>日経平均プラス5倍トラッカー
◆今すぐ買って3月か4月に売る!
「銘柄株なら政府の経済対策の予算がつきそうなゼネコン、防衛関連ですが、一本なら無難すぎるかもしれませんけど、【日経プラス5倍トラッカー】を今買って3月か4月に売る。数か月持つわけで、ならば相場が上下を繰り返しても減らない、レバレッジトラッカーの特徴が活きるでしょう。ビギナーにもとっつきやすいです」(土居氏)
◆レバレッジトラッカーとは?
日経平均に数千円からレバレッジ投資できる商品で、’13年に取引を開始した。買取価格が日経平均の変動幅のプラス5倍に連動する「プラス5倍トラッカー」と、マイナス3倍に連動する「マイナス3倍トラッカー」の2種類
写真/読売新聞 アフロ
「昨年の忘年会でも、『オリンピックまで日本経済は好調で、日本株は一本調子の上げ相場になる』という声をよく耳にしました。年末年始のテレビに娯楽番組が多くなり、百貨店では高級品がよく売れたそうです。内閣支持率が高かったことも含め、’05年小泉郵政解散の後、’06年のはじめによく似ていますね。で、その後どうなったか。ライブドアショックがあって、リーマンショックが起きました」
と切り出した土居氏。著書『
『勝ち抜け! サバイバル投資術』 中国バブル崩壊、米国発世界恐慌…ミッションは生き残り。日本と世界のこれから、次のバブルの見つけ方、グローバル経済時代の攻めと守りの最善手を、プロ中のプロが説く |
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