雑学

スーパーの円高還元セールがあまり行われていない理由

 以前と比べて円高還元セールも小規模で、世の中全体で円高メリットを実感するにはほど遠い。「それもそのはず、還元すべき利益が増えていない」と指摘するのは、経済アナリストの小川佳紀氏。

「原油高の影響とも言われますが、円高還元セールが盛んだった95年や2~3年前と比べて、原油価格は下落している。実は、穀物価格と中国での人件費高騰が原因。世界の食品価格を指数化した『食品価格インデックス』は、07年比で2.4倍に高騰。この間、為替は1ドル=120円から75円に、円換算の輸入価格は約4割下がりましたが、それ以上に食品価格が上昇している。1杯280円の牛丼なら原料価格は肉、米、玉ねぎなど合計75円程度。残りは人件費や店舗家賃が占めるので、牛肉が2~3割値下がりしても、簡単に値引きできないのが実情なのです」

 また、円安で輸出企業が大儲けした07年と状況が似ている。

「当時は自動車メーカーなど最高益企業が続出しましたが、自動車が値下げされたわけでも、従業員給与が大幅に増えたわけでもなく、円安メリットは増配の形で株主に還元されました。今後、もっと円高に進み円高メリットが拡大しても、還元先は消費者や従業員ではなく、株主なのかもしれませんね」

小川佳紀氏【小川佳紀氏】
経済情報を発信するフィスコの経済アナリスト。マクロ、ミクロ経済から株式市場の個別銘柄まで幅広く分析する

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