闇株新聞氏「量的緩和の2年目の展望は暗い」

4月で黒田日銀総裁が実施に踏み切った「異次元」量的緩和からちょうど1年を迎えた。確かに株価は上向き、明るい兆しを見せたものだが、消費増税が実施され、日本経済の先行きは不透明……。”アベノミクス2年目”の課題とは何か?闇株新聞氏がこの1年を振り返りながら分析した

◆アベノミクスの代名詞「異次元」量的緩和から1年の成果は……財務省の裁量拡大だけだった!?【後編】(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)

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 それでも「異次元」量的緩和で円安と株高が実現したことは事実である。「異次元」量的緩和が導入される直前は1ドル=93円、日経平均が1万2300円台だったが、この4月9日時点では1ドル=102円で日経平均は1万4300円。着実に進んだ円安と株高は、「異次元」量的緩和の“効果”といえるだろう。

 しかし、「異次元」量的緩和で日本経済が本当に回復しているかは評価が分かれるところだ。また、円安の結果、輸入物価の上昇を招き、消費者物価上昇率がマイナスから1%台前半まで上昇した事実もある。円安が進んでも、貿易収支の赤字拡大に歯止めがかかっていないのも事実だ。

 今月からの消費増税に伴う消費低迷と経済減速に対応するため追加量的緩和が期待されているが、日銀は4月8日の政策決定会合で追加量的緩和を見送ってしまった。追加量的緩和そのものに経済を回復させる効果があるとは思わないものの、見送ることによる株価低迷は日本経済を本格的に悪化させてしまうと懸念している。「異次元」量的緩和の2年目の展望は暗い。

【今週の数字】
日銀保有国債の増加額
73兆円
この1年で日銀が保有する国債は73兆円増加。これは1年間で発行された国債(2~40年国債)118兆円8000億円の61%に相当し、国債発行残高の1.5倍にも相当

【選者】「闇株新聞」氏
闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」と’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。昨年4月には『闇株新聞 the book』を上梓




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