部下を信用することができなかった女上司の転落
ニュースを賑わせる“不祥事”の数々。組織ぐるみの大事件が耳目を集める一方で、最近とみに増えているのが、「フツーの会社員がとんでもない事件を起こす」という事例だ。「上司に叱られたくない」「ノルマが達成できていない」といった焦り。「会社に搾取されている」という不満。よくある悩みは、いつしか増殖して平凡な会社員を闇に落とす。そんな「明日は我が身」の実態に迫る!
<フツーの会社員が“ダークサイド”に堕ちた瞬間>
◆「360度評価」で高評価を強要【業績水増し】
会社からより高い評価を得るために「業績を水増し」するのは、もっともオーソドックスな不正のパターン。
とある学習塾では「架空の入塾者をシステム上で入力したり、申込書を自分で記入して三文判を押したりしていました。同僚には、自腹で受講料を払い、11人分の入塾者をでっち上げた人も……」(塾講師・39歳)。
このケースでは、塾サイドがスタッフの自腹を当て込んでいたフシもあり、ブラック臭がプンプンするが、かたやまったく同情できないこんなケースも。
「部下が上司を評価する『360度評価』が、ウチの会社でも導入されているんですが、とある部署で“女帝”と呼ばれている40代女性部長の評価が、いつもメチャクチャよかったんですよ。ところが、後に部下からのチクりで発覚したのですが、評価シートに何を書くか、すべて彼女が事前指導していたんです。『誰が何を書いたかすぐわかるから』とか言って。まさに北朝鮮状態で、マンセー一択。評価システムがまったく機能していなかった。発覚後、その女部長は更迭されました」(商社・36歳)
性格のキツさゆえに部下に好かれてはいなかったものの、公平に見て有能な人物であり、わざわざ指導を入れなくとも「そう悪いことは書かれなかっただろう」と前出の社員は述懐する。他人をなかなか信用することのできない人は、同じようなワナにハマりかねない。
― [8割の会社員が不祥事予備軍]の恐怖【3】 ―
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