ホコリだらけのエアコンが引き起こす致死率50%の病
エアコンのフィルターには粉塵がびっしり、部屋の隅に積もったホコリは山の如し……そんな汚部屋に住むのは、国立大で研究職につく北里隆さん(仮名・26歳)。
「この部屋に住んで3年経ちますが、毛足の長いカーペットにゴミが絡まり、掃除機で吸い取れないので掃除をするのは諦めました。エアコンも一度も掃除したことがありません。多分、前の住人も掃除していなかったと思います。男ってそういうものじゃないですか」
そう語る北里さんには、ある種の清々しささえ漂っていた……。
他方、出版社に勤める緒方雄一さん(仮名・28歳)。以前、友人4人とシェアハウスをしていたとき、あまりに部屋を片付けなかったため、友人の彼女から呪いの手紙を受け取ったというから筋金入りだ。
そんなこともあり、このままではダメ人間になる、とルームシェアを解散。現在、都内の1Kに在住だが、中央には万年床がドン。その周囲の床をマンガや書籍、3か月以上放置しているスーツや衣類が取り囲んでいる。足の踏み場もない空間に溜まったホコリがフワフワ。両者とも、原形を留めていない食べカスなどはないものの、ホコリの中にも危険なカビが潜んでいるとは千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志博士だ。
「部屋の隅や下駄箱の中、家具の裏、エアコンの通風孔などあまり水分がなく、ホコリが溜まりやすい所にはアスペルギルス・フミガータスという真菌がいて、これはアスペルギルス症の原因菌と言われています。この病気は病人など免疫の低下した人の呼吸器系(肺、気管支など)に感染し、その症状は咳や微熱など風邪に似ています。肺炎を引き起こした後に菌が血液に入り、その他の臓器に感染することも。そこまでいくと致死率は50%とも言われています」
たかがホコリと侮るなかれ。特にホコリが溜まりやすいエアコンは、夏前に掃除しておこう。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
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