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「眠い=睡眠不足」ではない!?「眠くなったら仮眠」も間違い

我々が普段、何げなく受け止めてきた健康情報にミスリードやウソ、誤解が含まれている確率は決して低くはないという。巷にあふれる「健康情報のカラクリ」をSPA!取材班が追った。 ◆「眠い=睡眠不足」は早計!? なぜ眠いのかの理解が必要
菅原洋平氏

菅原洋平氏

 多くのサラリーマンが頭を悩ます睡眠。なかなかコントロールすることができないこの生理現象に関わるウソを見抜くには、一にも二にも睡眠の本質を知らなければいけないようだ。睡眠事情に精通する作業療法士の菅原洋平氏は語る。 「よく“7時間30分から8時間睡眠がいい”という話を聞きますが、それは正しくありません。睡眠というのは、季節つまり日照時間や年齢によって変化するので、“◯時間の睡眠を確保する”という考え方ではダメ。大切なのは、起床時間を規則正しくすることです」  なぜ睡眠時間の確保よりも起床時間のほうが大切なのだろうか。 「人間の体は起床から16時間後に眠くなるようにできています。たとえば、忙しい平日の睡眠を補うため休日に正午まで寝ると、その夜は28時に眠る体になる。連休明けの出勤がツラいと感じる人が多いのはこのためです」  なぜ睡眠時間のことばかりが取り沙汰されているのだろうか。 「何をもって睡眠不足なのかが理解されていないからでしょう。眠い=睡眠不足ではない。先ほど人間の体は16時間後に眠くなると言いましたが、8時間後にも眠くなるようにできている。お昼すぎに眠くなるのは当然なのです」  自分が睡眠不足かを把握するには、簡単な方法があるという。 「脳は起きてから4時間後に最も活発になりますので、その時間に眠気があるなら睡眠不足ですね」  さらに気をつけるべきは仮眠だ。世間一般では、眠くなったら仮眠を取ったほうがいいと言われるが、それも誤りだと菅原氏は指摘する。 「仮眠は眠気がくる前に取らないとダメ。眠くなってから取る仮眠は、16時間後に訪れる夜の眠りの質を下げます。眠くなる前、つまり起床から約6時間後に、5~10分の仮眠をするか、目を閉じるだけでもOKです」 【菅原洋平氏】 作業療法士。睡眠研修を30社以上で実施するなど、中高年の睡眠に精通。著書に『あなたの人生を変える睡眠の法則』などがある イラスト/大ハシ正ヤ ― [健康情報のカラクリ]を暴く【5】 ―
あなたの人生を変える睡眠の法則

医療現場で実証ずみ「科学的」快眠習慣

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