ハゲ予防と頭皮ケアは一切関係がない?
―[[健康情報のカラクリ]を暴く]―
我々が普段、何げなく受け止めてきた健康情報にミスリードやウソ、誤解が含まれている確率は決して低くはないという。巷にあふれる「健康情報のカラクリ」をSPA!取材班が追った。
◆薄毛の原因は遺伝のみ!企業の戦略に踊らされるな
「ハゲたくない」と薄毛対策にシコシコと精を出すサラリーマンは数知れない。頭皮マッサージや高価な薬用シャンプー、食事療法など、惜しみなく多大なコストと努力を費やすのは頭髪に悩みを抱える男の宿命ともいえる。しかし、日本の頭髪治療の第一人者である佐藤明男氏に聞くと、薄毛を解消する方法は一つしかないという。
「頭皮ケアなんて何ひとつ意味がないですよ。それは医学的に証明されている。前提としてハゲるかどうかは遺伝で決まっているのです。男性型脱毛症は、薬による治療で治すほかありませんよ」
サラリーマンであれば、数年ぶりに再会した友人が「ストレスでハゲちゃった」と語るシーンに出くわしたことは、一度や二度ではないはずだが……。
「ストレスでハゲるという科学的根拠はありません。いくら残業をしようが職場に嫌なヤツがいようが関係ないのです。ただし、円形脱毛症などは別ですが」
ワカメなどの海藻類は髪の毛にいいというのも真っ赤なウソ。これはある側面だけを抽出することで起こる典型的な“健康情報のウソ”だという。
「確かに髪の毛にはミネラルが豊富に含まれています。そのため、ワカメや海藻類を食べれば髪の毛が生えると勘違いしている人が多いのでしょう。発毛にミネラルが関わっているデータはどこにもないですよ。多少、髪の毛にツヤが出ることはあるでしょうけど」
ほかにも薄毛に関するまことしやかなウソはたくさんある。
「毛が生えるための細胞は皮膚の下にあるので、整髪料が薄毛の原因になることはありません。髪の毛を染めるのもまったく問題ない。シャンプーは頭皮を洗うというのも間違いです。頭皮を洗いすぎると髪の毛が生えるために必要な角質などが取れて、薄毛を助長します。“朝シャン”はシャンプーを売りたい企業の戦略です。一日に2度も洗髪をしてはいけません」
では、なぜ薄毛にまつわるウソがこんなにも世間に流布しているのだろうか。
「薄毛対策は、お金に糸目をつけずに投資する人が多い。企業がそんな大きな市場を見逃すわけがないということでしょうね」
【佐藤明男氏】
東京メモリアルクリニック院長。これまで7000人以上のAGA(男性型脱毛症)患者を治療してきた実績がある、頭髪治療の第一人者
イラスト/大ハシ正ヤ
― [健康情報のカラクリ]を暴く【4】 ―
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