なぜユニークな名前の風俗店は減ったのか?
昨今、風俗業界ではソープやヘルスよりも、低価格で病気の心配も少なく手軽に遊べるエステや洗体、マッサージ、添い寝など、よりライトでソフトなサービスの人気が高まっている。「風俗業界を見ていると、サービスだけでなく、店舗名にも時代背景が映し出される」と話すのは、風俗情報誌『月刊マンゾク首都圏版』編集長の丹田勇人さん。
店舗名といえば、以前は「ヌッキーマ●ス」「ふぇらるどダ●ク」「ヌレヨンちんちゃん」「今イクヨヌクヨ」「抜くドナルド」など、ユニークな店舗名が話題になることが多かった。上記のなかには今でも人気を博す風俗店もあるが、丹田編集長によると、「ネーミングは時代とともに変化する」というのだ。
「風営法の改正等により路面に看板を出すことができなくなってから、風俗店は雑誌やネットを介して宣伝するしかできなくなってしまいました。そこで、インパクトよりもお店のコンセプトを想起させる店名が増えていったのです。最近では、”都内中のイイ女が集まる”という新宿の『輝き』や、甘酸っぱい素人の大学生やモデルが働く品川の『ラズベリー』などが、その最たる例ではないでしょうか」(丹田編集長)
また、丹田編集長は、「風俗業界の流行はAVの流行とリンクしている」と分析する。例えばサービス合戦が過激になっているホテヘルでは、近年、部屋のドアを開けてすぐプレイが始まる“即プレイ”のお店が増えている。
「どちらが先というわけではありませんが、AVの『出会って○秒で合体』シリーズなどの人気と歩を合わせるように、風俗店で即プレイのお店が増えてきました。また、黒ギャルAV女優の人気の高まりに合わせて、白ギャル黒ギャル専門店の『池袋ギャルデリ』や、ボディコン専門店の『ギンギラ東京』などへの注目度が高まっています。『ギャルデリ』には、超ド派手な黒ギャルとの変態プレイが楽しめる“鬼ギャルコース”があって、ギャル好きなM男性からのリピートが止まりません!」(丹田編集長)
最近ではニューハーフ物のAVが増えているが、風俗業界でもニューハーフ専門店ではなく、通常の風俗店で女の子たちと一緒にニューハーフの子たちが働くケースが増えているという。即物的なヌキだけでなく、店舗名やサービスの変遷に思いを馳せると、風俗業界の最新トレンドが見えてくるようだ。
【丹田勇人氏】
最新風俗情報誌『月刊マンゾク首都圏版』の編集長。首都圏の風俗事情を網羅し、自らも情報収集には余念がない。毎月17日発売
<取材・文/日刊SPA!編集部>
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ