更新日:2018年02月13日 13:27
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ポーカーの世界チャンピオンを直撃「スキルを磨くならオンライン一択」

世界的なブームになっているポーカー。カジノ解禁前の日本国内でも競技人口は増加の一途。“ボロ儲け”を目指しポーカーを始めるなら、今しかない! ◆世界チャンピオンを直撃
「ポーカーのスキルを磨くならオンライン一択です!」
木原直哉氏

木原直哉氏

 カジノのない日本でポーカーのスキルを磨くためには、アミューズメントと呼ばれるポーカースポット、そしてポーカー戦術書やサイトを活用することをこれまで紹介してきた。しかし、海外の強豪たちと戦う日本人トッププレイヤーたちはどこで腕を磨いているのか。‘12 年WSOP「ポット・リミット・オマハ/シックス・ハンデッド」で参加者419人の頂点に立ち、日本人初のブレスレッドホルダーとなった木原直哉氏を直撃した。 「強くなるには“オンライン一択”と断言できます。WSOPのメインイベント、直近4年の優勝者はすべて21~24歳の若者たちですが、ライブでのキャリアの少ない彼らがどこで資金を得てスキルを磨いているかといえばオンラインです。『ラスベガスのライブポーカーで20年間稼ぎ続けている』なんて言っているベテランプレイヤーの経験値(ハンド数)を、若手プレイヤーたちは数か月で追い抜かしますから」
ポーカー

オンラインポーカー「Poker Stars」のシリーズイベント「SCOOP」に参戦した木原氏。総額賞金は約16万ドルに及んだ

 オンラインポーカーはライブポーカーの3倍のスピードで進行し、※(1)多面打ちをすることで膨大なハンド数をこなすことができる。 「ハンド数だけでなく、プレイ技術のトレンド、各プレイについての対策&戦術もオンラインは日進月歩で進んでいます。例えば、5年前は※(2)コンティニュエーションベット(以下Cベット)を多用するだけで稼ぐことができましたが、今では通用しません。Cベット対策も※(3)スカンジナビアンレイズが流行した時代もあれば、※(4)フロートして※(5)ダブルバレルを打てない相手にブラフベットをして降ろすというように多様な戦略が練り上げられ、実践されています。自分はオンラインを主戦場にしながら年に数回、まとまった期間を取って海外でプレイするのですが、ライブ専門で稼ぐプロのプレイの古さに目を疑うことが多いです。ちょっとした浦島太郎の気分ですね(笑)」 「オンラインで勝てればライブでは敵無し状態になれる」と木原氏は続ける。 「自分の実感で“オンライン50倍段”というものがあります。遠くない将来、100倍段になるのではと考えています。オンライン30倍段とは、オンラインのキャッシュゲームで※(6)『0.5ドル/1ドル』のレートで勝ち越すことのできる腕前であれば、レートを50倍してライブキャッシュの『25ドル/50ドル』の卓で圧勝できるという意味です。ライブでは100ハンド(3時間)で30BBほど稼げるので、長期的に見て時給300ドルは出ます」
ポーカー

自分のプレイ履歴を、将棋の感想戦のような形で吟味できるのもオンラインの魅力。「AQのような強い手で収支がマイナスならそれが“穴”です」(木原氏)

 顔の見えないオンラインでは、統計ソフト(※参照:https://nikkan-spa.jp/692456)を活用することも必須だという。 「ただ、トーナメントでは刻々と状況が変わるので指標は参考程度にするべきです。上級者を目指す人にとって最も重要なポーカーのスキルは“相手のレベルに対応する”ことです。相手のレベルを推し量るために何を見るのかといえば、細かいプレイを見るのではなく、“ビッグポットのときにどうプレイするのか”と“※(7)変なプレイをしていないか?”の2点です。前者を見ることで、プレイスタイルを把握できます。後者は※(8)フィッシュを探すのに最適です。強いプレイヤーって変なプレイはしないから目立たないんですよ」  多面打ちも、それを把握できる面数にとどめるべきとか。オンラインで勝てる腕を身につければ、海外のライブキャッシュでボロ儲けが可能なのだ。 【用語解説】 (1)多面打ち 同時に何面もプレイすること。木原氏は9面打ち。30面打ちをこなすプロもいるなど、スタイルは異なる (2)コンティニュエーションベット プリフロップでのオリジナルレイザー(最初にレイズした人)が、フロップで何もヒットしていないのに、続けてベットすること (3)スカンジナビアンレイズ Cベットに対してミニマムレイズをすること。「完全ブラフとモンスター(ツーペアなどの強い手)にポラライズ(両極化)すると有力。ミニマムレイズより大きめのベットサイズがトレンドですかね」(木原氏) (4)フロート Cベットに対して弱いハンドでコール。ターン以降で相手が弱みを見せたらブラフベットで反撃すること (5)ダブルバレル オリジナルレイザーがフロップ、ターンと続けてベットすること (6)0.5ドル/1ドルのレート 0.5ドルはSB、1ドルはBBの額。当然、レートとレベルの高さは比例 (7)変なプレイ 「セットとツーペアでぶつかってるのにポットが小さすぎる」「プリフロップで自分のスタックの半分を入れているのに、オールインに対して降りる」など。「投資効率のよくないプレイはイヤでも目につくものです」(木原氏) (8)フィッシュ 日本語でいう“カモ”のこと。「海外のライブキャッシュには必ずいます。仮にトッププロが同卓しても、フィッシュに合わせてプレイが進行するためテーブル全体がソフトになります。だからライブキャッシュは勝てるんです」(木原氏) 【木原直哉氏】 東京大学出身。‘12年、WSOPの1イベントで優勝し50万ドルを獲得。その後、世界最大手のオンラインポーカー「PokerStars」の契約プロに。『運と実力の間』(飛鳥新社)など著書多数 ― [ポーカーでボロ儲け]は可能だった!?【4】 ―
運と実力の間

世界の猛者たちと戦い続ける頭脳ゲームの達人の手に汗握るドキュメンタリー

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