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「45歳の上司を見て不安」将来像を描けない業界で転職を決意した瞬間

アベノミクス景気を背景に、活況を呈する転職市場。そんななか、異業種転職のケースが急増している。同業他社を渡り歩く時代はとうの昔。今やマジョリティとなった異業種転職のリアルな現状とは?

◆東京五輪までが限界!? 将来像を描けない業界から華麗に転職!

<不動産営業⇒医療機器販売>


[異業種に転職した人]のリアル2「45歳の上司を見て、10年後の自分に不安を覚えたんです」

 そう語るのは、不動産営業として8年間勤務した後、大手病院をクライアントに持つ医療機器販売会社への異業種転職を果たした大城寿志さん(仮名・38歳)。大城さんのように、将来に不安を感じて異業種転職する人は少なくない。

「以前勤めていた不動産会社は、20代が中心の体育会系の職場でした。毎日の朝礼では社訓を大声で読み上げ、“いらっしゃいませ”を5分間発声し続ける。汗だくになりながら先頭に立って盛り上げる45歳の上司の姿を見ていて“あの年でオレもやるのか”と不安になったのが転職のきっかけです」

 営業成績は優秀で同僚からの人望も厚く、入社3年目にはマネジャーに昇進。仕事に不満はなかったが、将来を見据えて転職活動をスタートさせたのは35歳のときのこと。では、なぜ医療機器の販売会社だったのか。

「転職サイトを利用したときに、担当してもらったキャリアコンサルタントに医療業界を勧められたんです。異業種からの採用にも積極的な業界で、不動産営業からの転職で成功している事例も多いという話でしたね」

 現在は院長クラスを相手に、心臓手術時に使用する医療機器の営業を行っている大城さん。不動産営業で培ったスキルが、大いに生かされているのだとか。

「前職では主に賃貸物件を担当していたので、いかに短時間でお客さまとコミュニケーションを取れるかが重要でした。そのため、僕は決定権を持つ人の懐に飛び込むのが人よりも早い。じっくりと時間をかけて人間関係をつくり、そのうえで取引することが大前提のこの業界では珍しいタイプなんだそうです。成約率も高く、入社初年度の売り上げ成績は、先輩社員よりも上でした。年収も550万円と前職よりも70万円アップ。異業種に転職して正解でしたね」

 だが、同業界は病院数が減るなかで、競争が激化しているのも事実。ライバルとなる営業マンも増え続けることも予想され、先行きは不透明だが……。

「そこは営業力に磨きをかけるしかない。2020年の東京五輪がピークの不動産業界よりは、余程マシですよ」

― [異業種に転職した人]のリアル【2】 ―




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