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転職者の約6割が「異業種へ」――転職市場に異変が起きた背景とは?

アベノミクス景気を背景に、活況を呈する転職市場。そんななか、異業種転職のケースが急増している。同業他社を渡り歩く時代はとうの昔。今やマジョリティとなった異業種転職のリアルな現状とは?

◆異業種転職が活発化の背景に慢性的な人材不足がある!?

 転職市場に異変が起きている。下記の2つのグラフによれば、異業種転職者の割合は59.1%を占め、「業種経験不問の求人割合」もリーマンショック前から急増。今や5割以上が定着し、業種を超えた人材確保が広まっている。

⇒【グラフ】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=696129

転職

邪道と思われていた異業種転職も、今や主流派になっている。なかでも、商社・流通・小売・外食からは8割以上が異業種へ転職している。新天地を求め、未経験の仕事へ飛び込む人も少なくない(『DODA』調べ)

「背景にあるのは、ビジネススピードの変化です」と語るのは、転職支援サービス大手の『DODA』編集長の木下学氏だ。

「グローバル化・情報化社会が進むなか、企業の新事業を開拓するスピードが加速。慢性的な人材不足を引き起こしています。新事業ですから、そもそも経験者がいない。でも、即戦力を投入しなければ、一手の遅れが致命傷となりかねない。そこで、異業種でもキャリアを積んだ有能な人材を確保する流れになっているわけです」

 一方、企業側が「バリュー(価値観)経営に乗り出したことも大きい」と分析するのは、労働・キャリア問題に詳しいジャーナリストの佐藤留美氏だ。

「ヤフーならスピード、楽天ならイノベーションといったように会社の価値観を共有できる人材を確保したいと企業側が考えるようになった。過去の仕事スキルで採用するだけではなく、今後の期待値でも中途採用者を判断するようになったことも異業種転職を加速させた要因といえるでしょう」

木下学氏

木下学氏

 こうした流れは、転職市場の年齢を押し上げる効果もある。事実、「35歳以上の転職成功率は年々増え続けている」(木下氏)という。

「ビジネススピードとともに、産業構造の変化も激しい。かつて安泰だった産業が停滞し、新たな成長産業が次々と誕生する。そうしたなかで、人材の流動性が高まっているのは確かです」(同)

 では、こうした人材の流動性は今後も増していくのだろうか。

「安倍政権が国策として“失業なき労働移動の実現”を打ち出しています。それに、ローソン会長の新浪剛志氏がサントリーの新社長になるなど、プロ経営者の異業種転職がモデル像となれば、サラリーマンもイメージしやすくなり、異業種転職は加速していくでしょうね」(佐藤氏)

 活発化する異業種転職。そのリアルをケースごとに見てみよう。

⇒『35歳以上で異業種転職に挑戦した男たち』http://nikkan-spa.jp/696114

【木下学氏】
転職支援、人材紹介などを手掛ける総合人材サービス会社・インテリジェンスの転職サービス『DODA』編集長。豊富なデータに基づいた最先端の転職事情を知る一人(http://doda.jp/

【佐藤留美氏】
ジャーナリスト。人材関連会社に勤務していた経験もあり、労働・キャリア関連の記事を多数執筆。著書に『資格を取ると貧乏になります』(新潮社)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)がある

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