35歳以上が異業種転職で成功する「5つの秘訣」
―[[異業種に転職した人]のリアル]―
アベノミクス景気を背景に、活況を呈する転職市場。そんななか、異業種転職のケースが急増している。同業他社を渡り歩く時代はとうの昔。今やマジョリティとなった異業種転職を成功させる秘訣とは?
◆35歳以上が異業種転職で成功する5つの秘訣
35歳限界説が解消されたとはいえ、30代・40代の転職事情が厳しいのは変わらない。
そのなかで異業種転職を成功させる秘訣を、転職コンサルタント・佐々木一美氏は「新天地で活躍する明確なイメージを持つこと!」と一喝。意外にも経験豊富な40代ですら、「明確な転職先をイメージせずに、雇ってくれるならどこでも」という人生の迷子が多く、転職に失敗してしまうという。
「異業種で未経験となれば、基準は自ずと意欲や熱意になる。履歴書や面接で、いかにモチベーションや転職先で活躍するイメージを語れるか。そのためには、新卒以上に業界研究し、綿密な情報収集が不可欠です」(佐々木氏)
ジャーナリストの佐藤留美氏も「成功する人は、前任者に会いに行くくらいぬかりない」と、情報収集の重要性を強調する。そこまで徹底しなくとも、同窓会や父兄会など30代40代ならではの情報網は、最低限押さえたい。さらに、集めた情報をもとに使える裏ワザが、佐々木氏が提唱する「条件破壊」だ。
「企業が多角化していく過程で、求人情報には表れない、潜在的なニーズがあります。例えば、病院が在宅診療を展開するとき、将来的に営業担当が絶対必要になる。そのニーズを先取りし、求人条件に営業職がなくても売り込んでいくのが『条件破壊』です」
ただし、ここまでやっても面接で失敗しては水の泡だ。
「先に述べたように、今は“バリュー経営”を掲げる企業が全盛の時代。この価値観を共有できる企業に採用されなければ、転職成功とはいえません」(佐藤氏)
社会人経験を生かし、転職先が何を求めているのかを察知する“大人力”を発揮することが、最終面接突破の秘訣と言えそうだ。
<異業種転職に成功する5つのステップ!>
1.徹底した情報収集とイメージの設定
2.同窓会や父兄会で人脈づくりに奔走
3.求人情報には出てこない「条件破壊」
4.仕事への価値観が合う企業選び
5.企業のニーズを察知する大人力
【佐々木一美氏】
ベルコリンズ研究所所長。大手建設会社教育事業部長などを経て、ベルコリンズ研究所を設立。中高年の転職支援を中心に豊富な経験と実績を持つ。著書に『成功する40代・50代の転職術』(日本実業出版社)
【佐藤留美氏】
ジャーナリスト。人材関連会社に勤務していた経験もあり、労働・キャリア関連の記事を多数執筆。著書に『資格を取ると貧乏になります』(新潮社)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)がある
取材・文・撮影/高島昌俊 山田ジン 宮下浩純 佐藤留美 取材/金子望 イラスト/川崎タカオ デザイン・図版/西田周平 アンケート協力/アイオイクス
― [異業種に転職した人]のリアル【7】 ―
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