更新日:2015年09月03日 15:43
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野外演劇の雄・維新派が池袋のビルの屋上で公演

劇団維新派『風景画』結成以来、一貫して野外での公演にこだわり続けてきた劇団維新派。瀬戸内海の犬島精練所跡地、琵琶湖の湖上など、様々な場所で壮大な舞台を上演してきた。今回の舞台は池袋のビルの屋上。街の風景そのものを舞台装置に、街と、そこに生きる人々の姿を描いた新作『風景画』を上演。東京での公演は20年ぶりとなる(西武池4袋階 まつりの広場にて公演中)。震災から7か月、維新派は2011年の東京の街と人をどのように描いたのか。美術評論家の新川貴詩氏に話を聞いた。 「新宿に林立する高層ビル群を借景に、デパートの屋上で上演するというアイデアが卓抜でした。鉄道の音や駅のアナウンスも巧みに作品に取り込んでいて、混沌とした大都市の像を活用していたと思います。これまで維新派は巨大な舞台装置を見せてきましたが、今回はとてもシンプル。どんな大仕掛けをもってしても、高層ビル街には負けますから、正しい選択だったのでは。逆にいうと、上演中、オフィスビルのあかりが次第に消えていく一方、ホテルやマンションのあかりが灯っていくさまは、実に大がかりな装置だと思いました。大震災から早くも7か月経ちましたが、東京は相変わらずネオンが皆無で、照明も抑えぎみ。3・11以降の東京の姿が、はっきりと映し出されていました」  野外劇、というとちょっとハードルが高そうな印象だが、主宰の松本雄吉氏は「日常と地続きの風景のなかには、必ず人それぞれの発見がある。それは、演劇を知らない人にもきっと魅力があると思うんです」と野外劇の魅力を語る。震災から7か月、秋の夜長に、都会のビルの狭間で吹き抜ける風を感じながら、いま現在の東京の風景を体感しにいくのも面白いかもしれない。 【『風景画』公演情報】 池袋公演に先駆けて行われた犬島公演を皮切りに、『風景画』シリーズとして今後世界各地で上演を予定している。 ●公演期間 2011年10月7日(金)~16日(日) ●会場  西武池袋本店4階 まつりの広場 東京都豊島区南池袋1-28‐1  TEL 03-5961-5202(F/T事務局) ●構成・演出 松本雄吉 ●当日券は開演1時間前から会場にて販売 取材・文/牧野早菜生
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