暴排条例施行で芸能界はどうなる? 「ヘタに口を割ったら業界追放」
もともとヤクザとともに発展してきたとも言われる芸能界。在京の中堅芸能プロダクションの元幹部で、今も芸能界とパイプが太い人物は条例施行後の業界の動きについて、重い口を開いた。
「やはり芸能プロダクションとヤクザは、少なからずタニマチ関係であったり、ケツ持ち関係であったりします。ヤクザが芸能プロに出資して、売り上げに対して報酬を得る場合もあるし、芸能プロ側がケツ持ちを依頼して、毎月一定額を払ったりもします。ケツ持ちの場合、例えば大きな組がバックについていれば、芸能界でのパワーバランスも強大になり、仕事も得やすい。こうしてのし上がってきた人も大勢います」
また、大物のヤクザには、フロント企業の内通者が必ず一人いるという。これはフィクサーやブローカーと呼ばれる人々で、その人物が仲介役となり、資金を提供したり、興行の仕切りをしたり、ライブやテレビ、CM出演をまとめるのだという。その際、ヤクザは興行の仕切り代のほかに、ダフ屋やテキ屋の利権でも収入を得ることになっている。
こうしてヤクザと付き合いのあるプロダクションは、条例施行後は、仲介役のブローカーを強化して直接の取引の実態が明るみに出ないように細心の注意を払っているのだとか。さらに元幹部は特別な話ではないと前置きした上で、こう語る。
「演歌や俳優系のプロダクションは、実際はヤクザが代表だったり、顧問や役員の場合もあります。実際、知人のプロダクションでは、代表をカタギに移す手を打っていると聞いています」
芸能界には「ヘタに口を割ったら業界追放」という不文律があり、それを十分に理解している“業界通のカタギ”と入れ代え、様子を見るのだという。
「線引きのはっきりしない条例は、大手がまず見せしめ的にやられるのが常なので、中小はそれをじっと待っている状態ですね」
いずれにせよ、ヤクザが恐れるのは、資金源が断たれることにほかならない。ヤクザと付き合いのある人々の対応が当局、ヤクザ両者にどのような影響を与えるのか、今後も注視したい。
― ヤクザと付き合いのある人々の本音【3】 ―
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