微生物がセシウムを無害な物質に変化させて除染する!?

環境省の試算によれば除染が必要な土壌は東京ドーム約23杯分と、汚染された国土の再生は容易ではない。それに伴い、除染をめぐる動きが活発化している。「ひまわりの除染効果なし」に戸惑い、次の一手を模索する現場から非科学的な方法まで。放射能除染の最前線を追った!

【微生物】
◆微生物がセシウムを無害な物質に変化させて除染する

「バクテリアが放射線量を大幅に低下させ、無害のバリウムに変化」――。

 こうした「微生物による除染効果」も報じられ、各地で微生物の除染研究が行われている。だが、懐疑派も多く「放射性物質が原子変換されるなんてあり得ない」など大論争が巻き起こり、微生物除染にはトンデモ説の向きが強い。

 前出・那野氏は「微生物をトンデモとするのは、そもそもの論点がズレている」という。

「例えば、放射性セシウムを吸収して別の物質を排出する微生物がいても、それはセシウムを分解したという意味ではない。実際、ロドコッカス・エリスロポリスという細菌はカリウムと間違えてセシウムを吸収。微生物には、無視できない可能性が秘められている」

 そのため、除染に有効な微生物の発見に多くの研究機関やベンチャーが参入。この巨大なビジネスチャンスを生かそうと、実証実験もそこそこに商品化を進める業者も存在し、キナ臭い動きもある。

 そこで、複合的な微生物解媒で「放射性物質を安定物質に転換する」実証実験を行い、ネット上で話題になっている高嶋開発工学総合研究所に問い合わせてみた。

「われわれの研究は無機物、エネルギーを培地・媒体とする化学合成細菌類・光合成細菌類の現生と発現の科学です。マスコミが取り上げる低レベルなひまわり、EM菌、ゼオライト(多孔質)などとはレベルが違う。一緒にされるのは科学への冒瀆です。ある大学教授から『夜中にトラックで汚染土壌を持っていくことも可能』と批判されたが、今回50坪の実験場で除染効果を確認できた。今後は、5000坪の用地で実証実験を行う予定でいます」(同研究所担当者)

 科学が未知への挑戦である以上、「微生物の除染効果」論争も収束しそうにない。

― 放射能除染をめぐる(狂)都市伝説徹底ルポ【4】 ―

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