早大駅伝監督は2ちゃんねるもチェックしていた
’10年から’11年にかけ、学生三大駅伝を制した早稲田大学の渡辺康幸駅伝監督が、来年3月の任期満了にともない勇退することを発表した。三冠だけでなく、大迫傑など日本代表を育てた手腕は高く評価されている渡辺監督に、自分がどんなタイプの指導者かを聞いたところ、話は意外な方向に展開していった。
「僕は個人の選手を育てるのはうまいと思ってるんです(笑)。反対に、組織作りの面では東洋の酒井(俊幸)君や、駒澤の大八木(弘明)さんには敵わない」
自分の力が不足している面があると認めているということなのだろうか?
「はい、そのとおりです(笑)。ただ、早稲田には僕以外に2人のコーチがいますし、そのほかにもスタッフがいて、役割分担しているわけです。僕の目の届かないところまで、きちんと彼らの目が行き届けばなんとか戦える。ただ、それでも競り合いで負けたり、悪条件になると弱いとか、そうなってしまうと『早稲田は甘い!』と叩かれてしまいますが」
そういう批判は耳に入ってくるのだろうか、と聞いたところ、「けっこう、僕は2ちゃんねるの書き込みとかも見ますよ」との答えが。目の毒ではないのだろうか?
「そうでもないですよ。掲示板の中には早稲田大学競走部のスレッドも立っていて、区間配置の予想とかも書かれていますが、こういうふうに見られているんだなって」
だが、それらの意見を気にすることはない、と渡辺監督は断言する。
「これは2ちゃんだけじゃなくて、いろいろなところからの批判があっても、自分が気にしなければうるさくないです。結局、自分の問題。批判はどのチームにもあるものです」
長らく低迷していたチームを再建した渡辺監督。「ウチは三冠を達成したあとになんとか踏みとどまっている状況ですよ。まったく余裕がない。苦しい(笑)」と笑いながら語っていが、批判などにブレることなく自らとチームの置かれている状況をしっかりと見極めていることを感じさせるエピソードだ。
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本誌構成/生島 淳 撮影/高須 力 再構成/SPA!編集部
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