ひろゆき「定年制度」と「成果主義」について考える
― ひろゆきのネット炎上観察記 ―
【成果主義ではダメだった!? マクドナルド定年制度復活】
日本マクドナルドが06年に廃止した定年制度の復活を発表し、話題だ。同社は06年以降、若手育成を目指し実力主義への意識を高めようと、年功序列の人事・賃金制度を廃止し成果主義へ移行。結果、ベテラン社員が自身の成果を優先して、若手育成が進まなかったのが原因と述べた。これにネット上では、「当たり前だ」や「難しい判断」などの声が上がっている
◆「成果主義」と「エコひいき」。名監督ならバランスを保てる?
定年みたいな辞め時を決めないと、将来の不安とかで、いつまでも会社に居続けようとする人が出てくることがあります。まぁ、若手を潰したほうが自分の居場所が良くなる、ってことが起きますよね。これはマクドナルドだけでなく、日本の政界とかでも同じですよね。老人が結託して、若手がなかなか伸びないみたいな。
会社の場合は利益を出すことが目標なので、社内のシステムや規則が利益に反している場合は、バッサリと社長を切ったり(※1)もできますけど、日本の政界とかになるとそう簡単に代えるわけにもいかないので、「老害だ」とか言われつつも居残ることがあるみたいです。
んで、成果主義なのですが、他人にコツやノウハウを教えないほうが給料はよくなるので、徐々に個人主義になり、社内がギスギスして辞める人が出てきます。就職するときは、給料額が一番重要だったりしますけど、会社を辞めるときは人間関係で辞めることが多いですからね。。。結果、社内にノウハウが残らないわけですけど、そういう会社は「誰かが似たような会社をつくっても似たような利益を上げられる会社」なので、薄利多売で苦労も多くなり、給与も下がって、人材不足になってブラック会社(※2)になるという。。。数字による成果主義は上司がいなくても給与管理ができる楽な仕組みですけど、サッカーで例えると、シュートを決めた人ばかりが目立って、アシストやディフェンダーが評価されないので、メンバーがストライカーばかりになって破綻すると思うんですよね。
こんな感じで、定年制では社員のやる気が出ずに成果が上がらず、成果主義ではノウハウが残らずなわけですが、マクドナルドの場合、何か一個のアイデアだけで全てが上手く回るようなものは、既に実行していたと思うのですね。
んじゃ、どうしたらいいかと考えると、優秀な監督がいない場合は成果主義を多少入れるとか、その会社に似合ったバランスを見つけるしかないと思うんですよね。。。まぁ、優秀な監督がいれば成果主義じゃなくても、エコひいきをしてチーム力を上げられるとは思いますけど。。。
※1:バッサリと社長を切ったりもできます
特に上場企業では、大株主が会社の経営に口を出せるので、コロコロと社長が代わることも。ちなみに筆者は、「自由にやりたかったら上場しないほうがいいのは当然なので、上場する起業家はお金が欲しいんじゃないですかね?」と、過去に著書で語っている
※2:ブラック会社
ブラック企業ともいう。社員にグレーゾーンともアウトともいえるレベルの条件で労働をさせたりする会社や団体のこと。もともとは、反社会勢力との結びつきが強い企業を示す隠語だったらしいが、ネット上では悪条件で労働を強いる企業なども指す
【西村博之(にしむらひろゆき)】
元2ちゃんねる管理人で、ニコニコ動画の運営・管理人。
撮影/根田拓也西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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