理科の実験で「アルコールランプ」が使われなくなった理由
教師や親からの「気持ち悪い」という声がきっかけで、ジャポニカ学習帳から昆虫の表紙が消えたことが話題になった。釈然としない理由だが、いつの間にか姿を見なくなったものはほかにもある
◆「危ない」で消えたものたち
理科の実験でおなじみのアルコールランプが学校で使われなくなっている。なぜ? 共立女子中学高等学校の桑子研先生は言う。
「取り扱いが難しく、注意点が多く、危険だからです」
危険の理由は、「児童・生徒が実験机から落とす可能性がある」「アルコールが少なくなると、ランプの中でアルコールが気化し、爆発する可能性がある」などだそう。
「また、アルコールランプに火をつける際、別の火のついたアルコールランプで火をつけようとすると、液が傾いて芯の近くまでいって燃えあがる可能性もあります」
ちなみに、現在は、ガスバーナーが一般的だそうだ。
また、校庭のライン引きの白い粉も、現在はあまり見られないと聞く。
「土の校庭では今でも使用されていますが、ウレタンや人工芝の校庭が増えているからだと思います。また、ライン引きの成分が変わったのも特徴かもしれません」(同)
昔は水酸化カルシウム(消石灰)を使用していたそうだが、水に溶けると強いアルカリ性を示す。このため触ると手がかぶれるなどの可能性があるほか、目に入ると危険だそう。ちなみに、現在の成分は安全な炭酸カルシウムや石膏などが使われている。
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