鈴鹿F1日本GP 2012年で終了か!?
―[鈴鹿F1日本GPの2013年問題]―
◆日本最大最高のイベント鈴鹿開催は来年限り?鈴鹿F1日本GPの2013年問題
F1ファンにとっての年に一度のお祭り、日本GPが終わった。すでに開催が決定している来年を心待ちにするファンは多いと思うが、SPA!は再来年に思いを馳せた。
2009年にF1が鈴鹿に戻ってから最多となる10万2000人が詰めかけた今年の日本GP決勝日。過去、あの佐藤琢磨ですら2600枚が限界だった応援席のチケットを、小林可夢偉は7000枚完売させた。さらに、昨年より企業購入(ブリヂストンが7000席)が激減したにもかかわらず、決勝日昨年比6000人も増え、鈴鹿F1は成功裏に終わった。だが大会中、モータースポーツ関係者の間では再来年以降の開催を不安視する声も聞かれた。迫りつつある2013年問題とは?
「まず2013年よりも日本のF1ファンにとっての目前の危機は、フジテレビF1放送の2012年問題です。契約は今年までで、契約更新についてはまだ何も発表がありません(11年10月25日現在)。全戦全セッションを生放送しているCS放送のほうは問題ないようですが、昨年のブリヂストンを最後にF1から日本メーカーが総撤退したことにより、今年は地上波放送にスポンサーがついてない。来年以降、その地上波をどうするかが問題になっている。今夏、BBCが契約したような放送形態も検討しているようです」(モータースポーツ関係者)
現在、イギリスのF1放送はBBCが全戦無料生放送しているが、大幅なコスト削減のため、来年以降の放映権は有料衛星チャンネルのスカイ・スポーツとBBCが共同契約。スカイでは全戦生放送されるが、BBCは重要なレース10戦(来年は全20戦)のみ生放送。残り10戦はダイジェストで放送されることとなった。
「高額な放送権料も問題ですが、そのような提案が受け入れられるかどうか。まだ何も決まっていないようです。フジテレビの契約がどう転ぶかによって、鈴鹿の継続開催にも大きく影響してくる」(同)
さらに、鈴鹿サーキットを経営するモビリティランドの親会社ホンダが苦戦していることも不安を煽る一因だ。東日本大震災により栃木研究所が甚大な被害を受け、折からの超円高に加え、新車販売は大不振。燃費新技術も他社に先を越され、追い打ちをかけるようにタイの洪水により年産24万台のアユタヤ工場が水没してしまった。ホンダは今、試練の時を迎えている。
「来年のホンダのモータースポーツ関連の予算は相当厳しくなると聞いてます」(メディア関係者)
そもそもF1を開催するにはF1を統括するFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)に莫大な額の開催権料を支払わなくてはならず、鈴鹿の場合、30億円程度と言われている。しかも年々高くなるという。
「実は来年の開催契約の交渉もかなり難航しました。開催権料で折り合いがつかず、一度は白紙撤回。その後、開催権料が減額されたことで契約にこぎつけた」(ホンダ関係者)
来年、鈴鹿サーキットは開場50周年を迎える。その記念すべき年に“最後の鈴鹿”として華々しく終了する、なんてストーリーを思い描くメディア関係者もいる。
鈴鹿F1を取り巻く“状況証拠”に明るい材料はあまりない。日本GPの命運はどうなるのか? 決断を下すトップに話を聞くしかないが、開催交渉はごくごく秘密裏に行われ、その内容はトップシークレットだ。歓迎されないテーマだと重々承知のうえで、レース後、モビリティランド大島裕志社長に突撃した!
⇒モビリティランド大島裕志社長への突撃インタビューはこちら
https://nikkan-spa.jp/82009
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