「プレミアム商品券」を賢く使うには。旅費が半額補助されるものも
「アベノミクス失敗隠蔽バラマキ」「典型的な衆愚政治で、統一地方選目当ての『買収』」「1週間消費税ナシにしたほうが効果あるんじゃね?」
いやはや、ツイッター上では何とも評判がよろしくないが、安倍晋三首相の顔を見る限り、「春の統一地方選」直前での“ダメ押し”の一手に、そこそこの感触を得ているようにも……。
3月24日、政府は地方創生や緊急経済対策として’14年度補正予算に計上した自治体向け交付金4200億円のうち、3824億円の配分を決めた。地元商店街などで商品券の価格を上回る商品と交換できる「プレミアム付き商品券」の発行額は、トータルで1589億円。全国の97%に当たる1739の自治体が計画を進めており、今後5~7月に本格化するという。このほか、地方ならではの特産物や体験型旅行など、「ふるさと名物・旅行券」という枠組みでも615億円が割り振られるため、昨年人気となった「ふるさと納税」同様、全国の自治体間で熾烈なサービス合戦が繰り広げられそうな気配なのだ。
「自分が住んでいる地域限定の商品券はもちろん、『ふるさと納税』と同じく、全国の自治体や地元商店街が、地域色を出したり、お得感を追求したり、知恵を絞って注目されるプランを用意しているので、利用する側も絶対に楽しいと思いますよ!」
経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう話すように、各自治体ともバラエティに富んでいる。まずは「プレミアム付き商品券」のほうだが、こちらはプレミアム率が上乗せ10~30%程度。
つまり、1万円の商品券を買うと1万1000~1万3000円の買い物ができるという代物だ。
◆旅費の「半額補助」を謳っている自治体も!
なかには、福島県のように、地元のプロスポーツチームを盛り上げようと40%ものプレミアムを乗っける太っ腹の自治体もあるが、一方、「ふるさと名物・旅行券」も趣向を凝らしたプランが目白押し! 温泉街として有名な神奈川県湯河原町は、宿泊客の増加につなげようと、宴席に呼んだ芸者の「花代」として使える2万円相当の商品券を1万5000円で販売するという。
「今回の政策の目玉である『ふるさと名物・旅行券』は、湯河原のようなユニークなプランを打ち出している自治体もありますが、嬉しいのは、旅行費用の『半額補助』をしてくれる自治体がけっこうあるんです」
以下に今後、売り出される「プレミアム付き商品券&ふるさと名物・旅行券」の一例を紹介しておこう。
●宮城県/旅行代半額助成
県内を訪れる観光客の旅行代金を「半額助成」する予定。宿泊代だけでなく鉄道や飛行機とのパック旅行も対象とし、一部はGWの利用開始を目指すという。客の居住地の制限はなく、宮城県民も利用可
●福島県/県内プロスポーツチーム試合入場券
福島県内を活動の拠点としている福島ユナイテッドFC(サッカーJ3)、福島ファイヤーボンズ(バスケットTKbjリーグ)、福島ホープス(プロ野球BCリーグ)の県内プロスポーツ3 チームの振興策の一環。入場券、試合会場での飲食、グッズの購入が可能で、さらに、3 つの競技を観戦すると応募できる「観戦ラリー」では、抽選で旅行券や県産品などをプレゼント!
●神奈川県湯河原町/「お座敷代」割引商品券
温泉宿で芸者を呼ぶ「お座敷代」を割引価格で利用可。2万円分(5000円券× 4枚セット)を1万5000円で600冊、8月1日に発売。予約販売の予定も
●茨城県小美玉市/「航空券購入用」商品券
全国初の「航空券購入用」プレミアム商品券は、額面1万5000円を1万円で発売とお買い得度高し! 同市在住者は茨城空港を発着する国内線の航空券購入に利用できる。同空港の全国内線を運航するスカイマークの経営難をカバーできるか? 発売は6月を予定
ちなみに、人気の商品券や旅行券は、売り切れ必至! お目当ての自治体や地元商店街のPRページを今からチェックしておく必要があるだろう。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ハッシュタグ