世界中が泣いた!…映画宣伝のフレーズが大袈裟なワケ
著名人のキャッチコピーや街の看板、テレビCM、ネット広告に躍る魅力的な言葉たち。つい心奪われそうになったり、「何を基準に?」と疑問に思ったことはないだろうか。一体そこにはどんな根拠&狙いがあるのか、その真相を探る!
◆大きく出るのは映画宣伝会社の苦肉の策だった……!?
「世界中が泣いた!」「全米興行収入No.1」「アカデミー賞候補最有力」などの定番煽り文句は、宣伝会社が「日本でウケなさそうな作品につけがち」と言うのは、映画ライターのよしひろまさみち氏。
「数字をもとに興収や動員数を出すときは、本国で公開した週末、もしくは初日を指すことが多い。これならウソにはならないし、よく見るとカッコ付きで『公開週末成績』などと入っていますよ」
また、「世界中が泣いた!」「全米震撼」などは、「ほかがそうなら自分もそうかも」という日本人特有の“同調心理”に働きかける言葉でよく使われるフレーズだそう。
「実際に本国公開時や映画祭上映時の反響を煽り文句にしていることもありますが、文化や価値観の違いがあるため、全く同じ反響が得られるかは疑問です」
「アカデミー賞候補最有力」の基準も、「ノミネーション発表前にしか使えないけど、それでもオスカーの有無が動員にちょっとは影響あるだろうという期待値に基づいてつけられていることが多いです。実際、『候補最有力』な作品が、候補入りすることもなかったりするんで。もちろん例外はありますが、多くの場合、本当に候補入りするような作品は、候補入りした後でちゃんとコピーを変えてきます」。
― あの[煽り文句]の真実を明かします ―
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