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貧困から犯罪へ走る女性たち――置き引き団を結成している19歳のケース

貧困から犯罪へ走る女性たち――置き引き団を結成している19歳のケース シングルマザーや独身など女性の貧困問題がクローズアップされることが多くなった。だが、“その先”にある問題には、まだ誰も気づいていない。格差が広がる日本で今、サバイバルゆえの犯罪行為が蔓延していたのだ……。女性犯罪と貧困、その関係を示唆する一例をご紹介しよう。

 中学時代の同級生3人と、そしてなぜか中国人女性2人と組み、6人の「混成置き引き団」をやっているというのは埼玉県在住の向井直実さん(仮名・19歳)。

「置き引き始めたのは中学の頃。プリクラ機で撮影してる人の荷物を盗んでた。その後、3人とも高校中退して、年齢ごまかしてセクキャバで働くようになったんだけど、稼げなくて……。それで週末の夜に飲み屋街で倒れてる人の荷物を引こうって話になったんです」

 奇跡的に逮捕歴はない。ターゲットは男も女も関係なかったが、何度か怖い目にも遭った。犯行現場を見た客引きたちに囲まれ、事務所で監禁されこともある。

「その後、多国籍パブで働き始めて、チャイニーズ2人と知り合った。そいつらはめっちゃ不良ですよ。私らだけなら現金しか盗らないけど、中国人はカードとか免許証とか何でもカネに変えてきちゃう。今は婆さん専門ですね。カードとか使う習慣ないから見かけによらず現金持ってる。ジャージ姿の婆さんが50万円とか財布に入れてたりします。どんな場所を狙ってるか? それは絶対秘密です」

 6人で月に80万円は平均して稼ぐというが、長くは続くまい。そして、そんな彼女が置き引きを始めたきっかけは「食費」だったという。

「私らは中学時代に3人で一緒に住んでた。友達の1人が親から家賃払ってもらってアパートで一人暮らしてたから。溜まり場的な感じ。親たちは学校にさえ行ってれば何も言わない的な感じだった。でも中学生だけで生活してたら、食費が困るじゃないですか……」

 収入源はその家主の少女が親から与えられる月3万円の食費のみ。援交相手を紹介すると言う先輩もいたが、彼女たちが選んだのはもっと手軽な置き引きだった。

「中学生の着る服、食べるご飯だから、たいした金額が必要なわけじゃない。3人が仲良くなった理由も、中学1年生の林間学級に行けなかったから。私の場合は単に親が貧乏すぎた。あとは親子関係の破綻と父親のDV。DVのほうのコは中学2年生の時に、一時的にその子のお母さんも一緒に住んでたくらいです」

 もちろん犯罪の誘惑に負けず、真っ当に生きる女性たちのほうが多いのは言うまでもないが、貧困から犯罪に走る女性が増えているというのは、考えさせられるテーマだ。

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<取材・文/週刊SPA!編集部>

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