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中国人「爆パッカー」が東南アジア観光地に殺到中

 ドラッグストアや家電量販店に大挙して押し寄せ、日本で爆買いする姿が定着した感のある中国人旅行者。しかし、’13年に海外への個人旅行者数が団体旅行者数を上回った(中国国家旅遊局統計)あたりから急増しているのが、最小限の荷物で気ままに放浪するバックパッカー(背包客)だ。
各地で日本人が消え、中国人の若者だらけに。「爆パッカー」が東南アジア観光地に殺到中!

タイ・バンコクのカオサン通り。中国人バックパッカーが急増中だ

 中国での活動歴もあるタレントの宮下匠規氏はこう話す。 「中国のバックパッカーには、各国同様、予算に余裕がない若い旅行者もいますが、カネはあるけど団体ツアーや大量消費型の旅行に飽きたという人が多いのも特徴。昨年、海外に出かけた個人旅行者は5000万人以上といわれていますが、私の感覚から言えば、うち1割はバックパッカースタイル。彼らの旅行先は、地理的にもビザ要件的にもアクセスしやすい東南アジアに集中している。今後、各国の観光地で、中国人バックパッカーを相手にしたビジネスが興隆するでしょうね」  すでに異変が起きている。タイ・バンコクにあるバックパッカーの聖地・カオサンロードだ。3年ぶりに同地を訪れたという武漢市の運送業・武智義文さん(仮名・37歳)はこう証言する。 「最近では、おみやげ屋の店員は東アジア人を見かけると、まず『ニーハオ』と声をかけてくる。10年前なら『コンニチハ』だったのに……。『熱烈歓迎中国朋友』といった歯の浮くような電飾看板を掲げているレストランも複数あり、どこも多くの中国人客で賑わっている。3年前まで日本人宿とされていたドミトリーも、中国人宿に変わっていました。裏通りの壁に各国の旅行者が寄せ書きを残している場所があるのですが、そこに『尖閣諸島は中国のものだ!』という文字も……。彼らのせいで、かつてカオサンに漂っていたヒッピー的なゆるい居心地のよさは、かけらもなくなった」  広州市の日系工場に勤務する長田幸弘さん(仮名・34歳)も、旅先で遭遇した中国人バックパッカーに辟易したという。 「今年の旧正月、中国語が聞こえないところに逃避しようと、スリランカに行ったら、中国人パッカーだらけ。昨年、習近平が訪問したことで同国のイメージが向上したのが一因だそう。ただ、彼らは孤独が苦手なようで、とにかく徒党を組む。とあるビーチでは10人ほどの大群に出くわしたのですが、スマホで中華ポップスを鳴らし、海南島にでも来たかのような気分になりました。さらに彼らは、地元の子供たちに小銭を恵んでいたのですが、子供たちが『謝謝』と言っているのを聞いたとき、ここは完全に彼らのテリトリーであることを痛感しました」  観光地の雰囲気を破壊する彼らは日本にも。北京市に留学経験のある都内在住の主婦、吉本美香子さん(仮名・33歳)は話す。 「ウチのマンションには、バックパックを背負った中国人がよく出入りしている。しかも、見かけるのはいつも違う顔で、広東語を話していたり、東北訛りだったりとさまざま。おそらくマンション内の一室で、在日中国人がバックパッカー相手に宿泊施設を無許可営業しているのでしょう。こうした状況に、不安を抱いている住人も少なくありません」  爆買いのお次は“爆パッカー”が世界中を席捲する!? <取材・文/奥窪優木> 週刊SPA!連載 【中華人民毒報】 行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

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