「総合エンターテイメント施設」を自称する、水野しずの独創的すぎる自宅を訪問
水野しずの正体は謎めいている。次世代のアイドルを発掘する「ミスiD2015」でグランプリを獲得して以降、数々のPVに出演し、ファッションモデルにも抜擢。一方で、若手の現代美術作家と名を連ねて絵画の展示をしたり、WEB連載する漫画家としての顔も併せ持つ。また、「シブカル祭」では渋谷パルコの壁面ペイントに起用されるなど、彼女はいまやサブカル界から引く手あまたの存在だ。
このたび、彼女が住む六畳一間の古アパートの自室で取材を敢行した。天井やベッドには色とりどりのタープが張られ、床は本や漫画、そして自筆の作品で埋め尽くされている。遮光カーテンと目張りで塞がれた窓からは外界の光が一切漏れてこない。そこには、確固たる彼女だけの小宇宙が広がっていた。
――日光が苦手だそうですが、何か理由があるんですか?
水野:なんででしょうか。不愉快だからでしょうか。不愉快だからですね。日光にあまりいいイメージがなくて、カーテンの隙間から日光が差し込んでいると、水道の水が出しっ放しになっているような気分になるので、できるだけ部屋に入ってこないように努力をしています。
――水野さんはライブアイドルではなく、アーティストやモデルとして活動してきましたが、「ミスiD」にノミネートしたのはなぜですか?
水野:私が何事にもこだわりが強い上に、妥協とかができない性格なので厄介なんですよ。アウトプットが過剰すぎて、受け止める人に相応のエネルギーが必要になってしまうんです。でも、人間が好きなのでなるべく人に話を聞いてほしい。だから、どうやって話を聞いてもらうための付加価値を付けるかということを常に考え続けていて。その手段として“アイドル”を選択しました。愛されたいんです。
――アートやサブカルといった多様性を、今一番担保してくれる“フォーマット”がアイドルだとも言っていましたね。
水野:でも、営利目的でやっているわけじゃないから、職業を聞かれてもアイドルとは答えにくいですね。もっとテキ屋みたいに、屋台を引いて時価で身の回りにあるものを売り歩きしているようなイメージです。
――だからあえて肩書を名乗らず、「総合エンターテイメント施設」と自称している、と。
水野:その肩書自体が質問を要求する構造になってしまっていて、厄介なので自分からは自称しませんが……。Wikipediaにはそう書いてあります。本当は「無職」でもいいんです。生きてるだけ。
――以前は、「鳥居みゆきっぽい」「山口小夜子っぽい」など既存の人たちに当てはめて消費されるのに抵抗があったようですが。
水野:今は気にしません。どうしたって違うので。
彼女の内面に迫るインタビューはまだまだ続くのだが、この先は7/29発売の週刊SPA!に掲載されている『エッジな人々』にて!
取材・文/福田フクスケ 撮影/菊竹 規 ヘアメイク/高野雄一
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