不況と少子化が独身女子の「理系男子ブーム」を生み出した!?
マジメで余計な遊びを知らず、女っ気がない……そんないわば“売れ残り物件”が多かった理系が今、一部の独身女子の間で注目株だという。「理系男子ブーム」について作家・工学博士の松尾佑一氏に伺った
◆不況と少子化が女性の目を理系男子の遺伝子へ導いた!?
齢34にして、ようやく昨年の10月に結婚。妻とは大学時代の友人の結婚式で知り合ったんですが、彼女を通して初めて世の中には未婚の女性がウヨウヨいることを知りました。
それまで僕たち理系の男の間では、7対3くらいで男性のほうが多いという勘違いがまかり通っていて、未婚女性などは、どこかの寺にでもこもっているのではないかと、真剣に討論していたくらいです。それが結婚を機に、妻の友人などを通じて、理系男子に魅力を感じる女性が存在することを知り、「理系男子ブーム」なるものをようやく実感できるようになった次第です。
この現象を生物学の分野から考えると、「なぜ男と女はつながろうとするのか」に行き着く。我々が恋愛する理由は、端的に言うと遺伝子を次の世代に残すためで、生物は無意識のうちにどのように最適な形で子孫を残すかを考えている。それが利己的遺伝子という考え方で、生き残るために必要な能力を予見して、それを子供たちに与えようとしている。だから十数年くらいのタイムスパンで考えていくと、異性に対する好みも変化するのは当然で、この先、不況だとか少子化が進んでいく混乱期に、女性は「なんとか生き残っていきそう」な遺伝子を取り入れるための方策のひとつとして、理系男子にその活路を見いだしているのかもしれません。
でも、理系男子というのは、流行りだからといってファッション感覚で付き合わないほうがいいと思います。理系男子はシャネルのバッグとは違います。理系男子は仕事でも私生活でも忙しい生き方をしているので、恋愛にかけるリソースが少ない。趣味も時間がかかって、しかも一人で完結するものが多いので、同じ趣味の女性というのは難しい。特徴を見極めることが重要です。
マンガの『釣りバカ日誌』の主人公がプロポーズするときに「僕は君を幸せにする自信はないけど、僕が幸せになる自信はある」みたいなことを言ってるんですけど、まさに女子から見れば理系男子ってそんな感じだと思います。
【松尾佑一氏】
’79年、大阪府生まれ。作家・工学博士。専門は生物学と遺伝子工学。2009年『鳩とクラウジウスの原理』でデビュー。『彼女を愛した遺伝子』(新潮社刊/1512円)が好評発売中
※写真はイメージです
― [理系男子]がモテるって本当なのか? ―
『彼女を愛した遺伝子』 現役生物学者が描く、マッドでスウィートな理系ラブエンタメ |
この特集の前回記事
ハッシュタグ