ゴキブリが耳の中で産卵し26匹を摘出! 中国にいる「害虫の生命力」がハンパない
グロテスクなニュースに中国全土が戦慄した。『河北在線網』(8月26日付)によると、広東省東莞市に住む19歳の男性が、耳の痛みを覚えて病院へ行ったところ、なんと耳の中に26匹のゴキブリが生息していたのだ。担当医によると、1匹の親ゴキブリが耳の中に侵入し、そこで子を産んで増殖したとみられる。すぐさま、ゴキブリを耳から掻き出す処置が行われたが、手遅れになれば聴力を失う危険もあったという。
中華人民毒報】
行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売
そして、この1週間後にも、浙江省金華市で男性の耳の内部から生きたゴキブリを摘出する医療処置が行われている(『銭江晩報』9月2日付)。
聞くもおぞましいこうした事件の背景には、中国のゴキブリのハンパない生命力がある。東莞市のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・38歳)は言う。
「前に住んでいたマンションで、風呂の排水口の中にヤツらが生息しているのを発見し、熱湯をかけたり殺虫剤を噴霧したりしたんですが、それでも全滅しなかった。ホウ酸団子も作ってしかけましたが、きれいに完食してさらに生きながらえた。確実に殺すには叩き潰すしかなく、まるでゾンビと格闘しているようなもの。白旗を揚げて引っ越すしかなかった」
ゴキブリ強靭化の理由について、中国人ジャーナリストの周来友氏はこう話す。
「中国では、毒餃子事件で有名になったメタミドホスを代表として、日本や諸外国で認められていない毒性の強い殺虫剤が長らく使われてきた。そんななか、中国のゴキブリは鍛えられ、殺虫剤に対し強い耐性を持つようになった。ところが、最近は国際的批判もあって、市販の殺虫剤はかなりマイルドになり結果的に、中国のゴキブリに威力を発揮できなくなった。また、昔の中国人はゴキブリを素手で叩き潰していたが、最近の都会人は逆にゴキブリから逃げ惑うありさまです。ゴキブリは、人間に対して大胆になってきている」
害虫の強靭化はゴキブリだけではない。『新京報』(7月9日付)によると、中国の蚊は海外の蚊に比べ、殺虫剤に対する耐性が強い可能性があることが南京市疾病コントロール・予防センターの調べで明らかになったという。
重慶市在住の自営業・砂川孝昌さん(仮名・49歳)も話す。
「日本から持ち込んだ蚊よけスプレーは、中国ではほどんど効かなかった。日本のものより強力な、中国産の蚊取り線香も試しましたが、人が先にぶっ倒れるくらいたかなければ、効果はなかった。結果、寝るときはいつも蚊帳を使っていましたね」
中国で繁殖するスーパー害虫の一部には、海を越えて日本に上陸するものも。上海市の日系企業に勤める安達美香子さん(仮名・26歳)はこう証言する。
「日本に一時帰国した際、実家の台所にあるスパイス類が入った小瓶すべてに小さな赤い虫が湧いていた。よく見ると、それは私が住んでいる中国のマンションの米びつに以前湧いたことのある虫だった。私の衣服や荷物に付着して海を渡ってきたんでしょうか……。すごい繁殖力です」
耐性のついた害虫がやがて人間に襲いかかる……ハリウッド映画さながらの世界が中国では現実に起こりつつある。
<取材・文/奥窪優木>
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