更新日:2015年10月28日 23:10
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初心者でも楽しめる「スナックの歩き方」――店選びから立ち居振る舞い方まで

 オサレ男子が愛読するカルチャー誌『Hanako FOR MEN』(マガジンハウス)が、「スナックおいでよ。」のコピーで一冊まるごとスナック特集。担当編集者から制作段階で助言を求められ、「奄美大島の素晴らしさ」を力説したところ、3泊4日の取材スケジュールを組む力の入れようだ。 スナックの歩き方 スナックが若い世代の夜遊び文化として認知されつつある現状は、6年前から地元・沿線・地方のスナックを取材してきたSPA!連載「俺の夜」メンバーとしても嬉しい限り。が、スナック初心者が都築響一先生の名著『天国は水割りの味がする』を片手に“ママの一代記”を聞いたところで心から楽しめるかどうかの懸念は残る。「ババァ、うるせぇ」(毒蝮三太夫調)と、楽しいはずのスナックデビューがトラウマとなる可能性だってあるのだ。  そこで、俺の夜精鋭記者たちが考える「スナックの歩き方」を数回にわたって指南。スギナミ記者が訪れた1回目の舞台は、北区赤羽の老舗スナック「花うさぎ」である。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=955515 【極意1】“通いたくなる店”の前提条件はフレンドリーな常連客の存在
スナックの歩き方

アルバイトレディの指名なんて野暮なものはない。隣のテーブルを巻き込み即席合コン!

 まずは名店の見つけ方。これは足で探すのはもちろん、“その店の常連客とコミュニケーションが取れる店かどうか”によるところが多い。それはカウンターを見れば一目瞭然。カウンター内のママ、アルバイトレディと会話をしている客以外は、みんな何かに耐えるような顔してうつむいて酒を飲んでいるようなお店は要注意。とはいえ、気軽に話しかけてくれるのをただ待つだけでは芸がない。 「花うさぎ」に入店後、左隣にはちょい強面のキンさんと呼ばれる常連客。キンさんの前にいた女のコが飲み物を取りに席を立った瞬間、交流を図るチャンスが訪れた。
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常連客がマイクを握り始めたら、会話を一時ストップして、全力で合いの手を入れて心のセッションを図ろう

スギ「あやちゃん、ツンデレってよく言われるでしょ」 あや「えっ、別にィ(沢尻エリカ調)。むしろツンツンですよ」 スギ「(隣のキンさんに向かって)先輩! “ツンツン”とか言ってますよォ。いいんですか、接客のコがそんなんで」 キン「えっ? ああ、そうだな。コイツはね、飲むとデレデレになるからな、ガハハハッ」  一度交流すれば、一見客に対しても「この店はこうで」と情報を教えてくれる。店のコとの会話をキッカケにして、常に横との繋がりを意識することがコツなのだ。 【極意2】良質なキャストも優しい常連客も裏方に徹するママ抜きに語れない
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「私、写真……嫌いなのよォ」と恥ずかしがり屋の三枝子ママ。かなりの美熟女だ

 スギナミ流・スナック遊びの極意としては、仕事のできるアルバイトレディがいるお店を選びたいが、実はこの要素、キャスト個人の器量よりも、ママの裏方的な努力に尽きるともいえる。  ズバリ、年配の常連客には厳しく、新顔の一見客には優しく接することのできるママがいる店は、自然と楽しいお店となる。名店の条件はママの一代記の面白さだけではないのだ。  赤羽に店を開いて25年、藤圭子似の「花うさぎ」三枝子ママ。取材当日、久々に店を訪れた80代と思しき老紳士には、来店早々「あら、生きてたの?」と軽く毒を吐く。良ちゃんと呼ばれる常連客には、「この人はね、最初は怖い顔して一人で飲んでるイヤ~なヤツだったの。私が指導してあげたおかげで、明るく飲めるようになったのよ」という、堂々たる手なづけぶりだ。そんな三枝子ママに「美容の秘訣」を聞いてみる。 「私は年上の男とは楽しく飲めるんだけど、同年代の女性と馴れ合うのは嫌なのね。お店には若いコがいっぱいいるから、元気を分けてもらえるの。それが秘訣かな」  常連客を身びいきするママだと働くコたちの態度もそれに追随する。「裏方ママを探せ」が鉄則だ。 【極意3】サシトークでは楽しさ半減!スナック嬢はいじられ芸人と思え
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とにかく明るいミーちゃん。「ひとりカラオケで、昔の歌謡曲を練習してます♪」

 スナックは男が帰る“もう一つの家”である。となれば、アルバイトレディたちは娘同然。家族との楽しい団らんの場に、フリーで入ったキャバクラのような“夜の個人面談”トークは必要だろうか。答えはもちろん「否」である。 「花うさぎ」の板野友美こと、かなちゃん。出身は鳥取と聞けばご当地イジりトークの出番である。 スギ「47都道府県、ラストのスタバ開店おめでとう」 かな「はいー。これで砂丘ばっかりだった鳥取のマイナスイメージも消えました」 スギ「消えてないよ(笑)。開店に1000人並ぶとかおかしいし」
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ボックス席では座る角度を斜め45度に固定すべし。サシで延々女のコと話してても楽しくないのだ

 すると、母親が別のスナックでママをしているミーちゃんも乱入。 ミー「やだー、凄い田舎根性」 一同「お前もだよ!」  恋の予感を楽しむのはママの目を盗んで……というのは置いといて、店内では明るくバカノリ!が、女のコとの楽しみ方なのだ。
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写真左から、あや(26)、ミー(25)、かな(29)

 いかがだっただろうか。フレンドリーな常連客、ママの優れた人心掌握術、女芸人ノリのアルバイトレディが揃った店が、スギナミが思う「楽しいスナック」の三大条件。今回、赤羽に初上陸。のべ4軒のスナックを調査したが、該当したのは同店のみ。ぜひ、はじめの一歩に訪れて、居心地のよさにズップリとハマってほしい。 【花うさぎ】 東京都北区赤羽1-36-7 電:03-3903-1995 営:20~24時 料:90分5000円(飲み放題)※ボトルキープの場合、チャージ5000円(時間無制限)も選べる。 休:土・日・祝  撮影/石川真魚 ― スナックを10倍楽しむ極意をリレー連載「スナックの歩き方(1)」 ―
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