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『まんが道』に描かれた伝説のラーメンの味は?

マンガにさほど興味がなくても、「トキワ荘」という名前を聞いたことのある人は多いだろう。マンガの神様・手塚治虫が住み、その手塚に憧れて上京してきた藤子不二雄や赤塚不二夫、石森章太郎らが住んだ伝説のアパート。現在は取り壊され、近くの公園に記念碑が残るだけだが、その跡地は今もマンガファンが訪れる“聖地”である。

ラーメン店「松葉」

伝説のラーメン店「松葉」。場所は当時のままだが、改装はされているらしい

そしてもうひとつの聖地が、トキワ荘の漫画家たちが通ったラーメン店「松葉」。藤子不二雄Aの自伝的作品『まんが道』では、上京して初めて松葉のラーメンを食べた満賀と才野(藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄)が「ンマーイ!」「さすが東京のラーメンは一味違うよ!」と感動するシーンが描かれているほか、作中に何度も登場する。トキワ荘のすぐ目の前という立地もあり、若き漫画家たちの胃袋を支えた伝説の店なのだ。

しかし、トキワ荘と違って、こちらはナント今も同じ場所で営業中。マンガ好きなら一度は行っておかなければ! というわけで、松葉のラーメン、食べてきました。

地下鉄大江戸線・落合南長崎駅から徒歩約12分、トキワ荘通り中ほどにあるお店は、外観からして昭和の雰囲気たっぷり。入り口扉には『まんが道』のコピーが貼られ、店内には藤子不二雄Aをはじめ漫画家の色紙がたくさん飾られている。

松葉のラーメン

松葉のラーメン(480円)。写真ではチャーシューが2枚入ってるように見えるが、本当は1枚です

メニューはいろいろで定食なんかもあるけれど、ここはやっぱり素直にラーメンを注文しよう。待つことしばし、出てきたラーメンは、昔ながらの素朴な東京風醤油ラーメンという感じ。肉厚のチャーシューとゆで玉子、シナチクとワカメとネギが入っていて、ボリューム感もそこそこある。一口食べて「ンマーイ!」と言うのはお約束。甘辛いスープと麺の相性もよく、決して特別な味ではないけれど、藤子不二雄や石森章太郎や赤塚不二夫が食べていたかと思うと、また格別の味わいがある。

店内には、訪れた人が記念に書き込むノートも置かれていた。イラストを描き添えている人が多く、なかには漫画家志望者らしく妙にうまい絵も。有名漫画家のコメントもチラホラあって、やっぱり聖地なんだなあと改めて感動。マンガ好きなら一度は行ってみる価値ありですよ。

取材・文/新保信長




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