更新日:2022年07月07日 18:48
仕事

高学歴なのに低収入な人の事情「自分より偏差値の低い上司とは働きたくない」

ショーンKの学歴詐称問題でもわかるように、学歴はビジネスにおいて大きな武器になる――。だが近年、学歴に比例して所得も高くなるといった単純明快なロジックは崩壊しつつある。決して詐称したわけでもないのに、高学歴に押しつぶされた「高学歴貧者」なるものが実在しているのだ。ここでは、その一部を紹介しよう。 ●大阪大学大学院卒 年収280万円 ~福田伸宏さん(仮名・独身・42歳)塾臨時講師&家庭教師の場合~
大阪大学大学院を卒業したのに低年収。「自分より偏差値の低い上司とは働きたくない」と語る“高学歴貧者”に密着

学生時代の友人とはSNS上の付き合いのみ。たまに飲みの誘いを受けるが「今の状態を見られなくないし、40代にもなって財布に小銭しかない貧乏だと同情されたくない」と毎回断っているという

自分より偏差値の低い大学出の上司のもとでは働きたくない!

 大学院生には研究者を志望する者が多いが、職に就けるのは一部だ。大半は民間企業などを目指すわけだが「文系の院生は企業の評価が低く、就職に苦戦する」とは、阪大大学院出身で、現在は塾の臨時講師をしている福田伸宏さんだ。 「偏差値71の大阪大学に入学し、さらに大学院まで進んだプライドもあって、一部上場の有名企業じゃないと大学時代の友人の手前、恥ずかしいと思っていました。でも、実際は20社受けて全滅。教授のコネが利くところも無名の会社や大手でも希望外の営業職ばかりでした。そんななか、消去法で残ったのが学習塾でした」  しかし、正社員ではなく1年ごとの更新の専任講師。“生徒集め”という名の営業ノルマも課せられる厳しいものだったという。 「ノルマ未達成で教室長に叱責を受けることもありましたが、難関大に合格した経験が生かせると割り切ったつもりでした。でも、2年前に生徒の減少に伴う業績悪化で契約更新を見送られました」
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業界的に高学歴の講師は飽和状態
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