更新日:2016年07月20日 23:14
スポーツ

“目の見えない人のためのサッカー”日本代表・寺西一選手「僕らのすごさも知ってくれると嬉しい(笑)」

 いよいよ開会まであとわずかとなったリオデジャネイロ五輪。そちらももちろん気になるところだが、その1か月後の9月7日からスタートするリオデジャネイロ・パラリンピックも見逃せない。普段あまり目にすることのない、パラスポーツの魅力に迫る。

企業や晴眼者も多数参加するブラインドサッカーの取り組みとは

ブラインドサッカー その名のとおり“目の見えない人”のためのサッカー。それがブラインドサッカーだ。基本的なルールはフットサルと変わらない。ただ、各チーム4人のフィールドプレーヤーは視覚障がい者だけだ。彼らは耳から入ってくる情報や気配を頼りにプレーする。 「味方選手同士の声掛け、ボールの転がる音、敵選手の足音、キーパーやガイドからの声による情報……。これらのすべてが、僕らのプレーの元になっています」  こう話してくれたのは、ブラインドサッカー日本代表の寺西一選手。さまざまな“音”や“声”をもとに試合状況を頭の中に描き、ゴールを狙う――。そんなブラインドサッカーにとって最も重要なのは、コミュニケーション力だという。 「ゲーム中、自分がどういうプレーをするつもりなのかをわかりやすく味方に伝える。また、事前に作戦を話し合うことも大切です。プレーのイメージを味方全員が共有していないとゴールは狙えませんからね。練習時間の大半は作戦の話し合いをしているくらいです」  もちろん“ブラインド”であってもサッカーはサッカー。そのためパスやドリブルなどのテクニックも欠かせない。ただ、それ以上に試合や練習でのコミュニケーションが大きな意味を持つのだ。 「だから、逆に言えばサッカー経験がなくても楽しめるということなんです。実際僕なんてサッカー経験どころか子供の頃はサッカー大嫌いでしたからね(笑)。だけど、やってみたら奥が深い。練習すればテクニックも身につくし、試合をすればするほどこういうプレーのアイデアがあるんだという刺激を受ける。中学生の時に盲学校の先生に勧められて始めたんですが、あっという間にのめり込みました」
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“見えない”体験を通じて伝えることの難しさを知る
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