左利きが理由で会社を辞めた男 「意外と多い日常生活の苦労」を語る
2月10日。この日が何の日だかおわかりになる方はいるだろうか。
実は、2月10日は日本では「左利きグッズの日」として制定されており、左利きの人の生活環境の向上やグッズの普及を広める日なのだ。
そんな「左利きの日」に、「急須が上手に使えない」「習字の止めハネが苦手」など、左利きが日々感じているあるあるネタや、トリビアを紹介した本『左利きあるある 右利きないない』(ポプラ社)が発売になる。同著の制作を担当した左利きと右利きのライターユニット「左来人(ひだり・らいと)」の左利き担当・神田桂一氏に話を聞いた。
「左利きは全人口の10%前後だと言われており、左利きは右利きより圧倒的少数派なんです。だからこそ、この世の中の大半のものは右利き基準で作られているので、日々の生活で左利きの人が苦労している部分って、意外と多いんですよ」
たとえば、「はさみがうまく使えない」「自動改札機は右側にタッチボタンがあるので、左利きの場合はタッチする際に腕をクロスさせなければならない」「ドアノブがつかみづらい」「水道の蛇口は開けようとすれば閉じるし、閉じようとしたら開く」「カウンターや電車では肘が隣の人に当たってしまうので、左端に座るように心がける」など、左利きであるがゆえに、日常生活の随所で不便を感じることが多数あるという。
神田氏自身が特に苦労したのが、幼少期。幼稚園や小学校で文具の扱いを怒られたり、利き手を矯正させられた体験は、いまでも鮮明に記憶に残っていると続ける。
「僕の場合、箸を使ったり、絵を描いたり、ボールを投げたりするのは全部左利きなのですが、小学1年生ときに左手を骨折して、その際に親から『文字は右手で書くように』と矯正され、文字を書くのだけは右利きなんです。なかなか器用に字を書くことができなくて、親には怒られるし、本当に苦労しました。そのほかにも、ハサミやカッター、彫刻刀などの使い方が下手で『不器用だな』と周囲の友達などに笑われたのは、いまでも軽くトラウマですね」
マイノリティである左利きから見た世界
1
2
『左利きあるある 右利きないない』 左利きの人は「あるある」と共感でき、 右利きの人は新鮮さや優越感を得られ、 どちらの人も読んで愉しめる一冊。 |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ