技術だけでは足りない「自動運転車」を市販するために必要なこと
昨年、日本では日産セレナで話題になった自動運転。しかし、クルマに詳しくない人が自動運転のクルマと聞いて思い浮かべるのは、目的地を入力すれば自動で目的地にたどり着く、そんな映画に登場するようなクルマではないだろうか。そんな自動運転の現在、過去、未来について、『2020年、人工知能は車を運転するのか』の著者で交通コメンテーターの西村直人氏に聞いてみた。
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――そもそも自動運転とは何なのか?
自動運転は正式名称を「自律自動運転」(以下、自動運転)と言います。この「自律自動運転」を実現するためにはアクセルやブレーキ、ハンドル操作を自動的に操作する機能を搭載しているだけでは成り立ちません。自動運転の実現には、その中枢機能としての人工知能(AI)の存在が不可欠なのです。
――自動運転という考えは、いつごろからあったのか?
ガソリン自動車が誕生してから約130年。人がまったく運転操作に介在しない自動運転の状態は、実験レベルでは50年以上前に成功しています。とはいえ、それから半世紀以上たっても、市販車としてはまだ販売されていません。近い将来、高速道路や限られたエリアでの走行という限定条件付きの自動運転であれば、2020年を待たずして可能かもしれません。しかし、他車や歩行者との共存が求められる交通環境で、安全を担保した自動運転の実用化となると、そのハードルは相当高いでしょう。
――超高齢社会に突入した日本では、ドライバーの高齢化対策の面でも、自動運転車の普及が期待されているが、そのための課題は?
自動運転社会の実現のためには、クルマの進化だけでは難しい面があります。例えば道路網の整備や、道路と車両や車両同士の通信技術の普及は欠かせません。特に車両間の通信技術については、自動車メーカーの垣根を越えた話し合いも必要です。自動車教習や免許制度の変更も想定されます。例えば、MT車が多かった時代にはなかったAT限定免許が今では当たり前になっていますが、将来的には自動運転限定免許ができ、高齢者でも取得できるようになるかもしれませんね。
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『2020年、人工知能は車を運転するのか ~自動運転の現在・過去・未来~』 手動運転→協調運転→自動運転への進化と、この進化を加速させる人工知能との連携について、政府の戦略、自動車メーカーやヘルスケアメーカーの取り組み、海外事例など、あらゆる角度から最新動向に迫る。 |
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