レーダー搭載のベンツは戦車みたいに衝突を回避する!
◆昨年一番検索されたクルマは「ぶつからないクルマ」
【前編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/132297
【前編】で紹介したように日本車が得意とする電脳装備ですが、輸入車にも「ぶつからないクルマ」がありました。その最新モデルが、メルセデス・ベンツのMクラスとSクラスのレーダーセーフティパッケージに装備された「プレセーフブレーキ」。
ぶつからない機能に関しては「アイサイト」とほぼ同じながら、ステレオカメラを使う「アイサイト」に対して、「プレセーフブレーキ」はミリ波レーダーを使うところが大きな違いで、「アイサイト」が苦手としていた強い逆光や濃霧でもしっかりと機能するのが一番の強みです。また、前方を監視するエンジン部分のミリ波レーダー(77GHz)だけでなく、車体の四隅にもミリ波レーダー(24GHz)を装備しているので、車体斜め後ろの死角に入ったクルマも的確にキャッチ。それと気づかずに車線変更をしようとすると、警告音とともにドアミラーに内蔵した警告灯が点滅し、それでも側方のクルマに近づくと、今度はぶつかりそうになる反対側の前後ブレーキを掛け、戦車みたく進路を変更して衝突を回避! ドイツらしい鉄壁の守りです。
「アイサイト」と同じく「ついていくクルマ」にも変身可能で、こちらは+19万円なり(Mクラス)。
こうした支援システムは確かに便利で実用的なんだけど、冬場は場所によって頻発する路面凍結にも「ぶつからないクルマ」は機能するのだろうか? 結論は、機能はするものの残念ながら衝突回避は望み薄。カメラやレーダーでは、さすがに路面状況が正確に判断できないんです。くれぐれも過信は禁物です。
それでも、超高齢社会の日本のドライバーには必要な安全装備であることは間違いなし。大幅値引きが期待できる年度末商戦。新車選びの際には、「ぶつからないクルマ」の検討をぜひ!
【結論】
エコカーで燃費を意識するのもいいんでしょうが、ガソリン代の節約分と1回の交通事故の損害とどっちがデカいのか?燃費良ければすべてよし!ってわけにもいかないんです
E63AMGのレーダーセーフティパッケージ。一部のEクラスにはレーダーセーフティパッケージは標準装備される(E63AMGはオプション)。車両価格1495万円。ちなみに一番安いEクラスは634万円です
西村直人=文 池之平昌信=写真
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