60万匹のゴキブリを育てたプロが語る「やっぱりコワい!ゴキブリの生態」――家のなかへの侵入を防ぐことは難しい
2億5千万年前には存在していたと言われる最古の有翅昆虫「ゴキブリ」。見た目が気持ち悪い、汚らしい……。ゴキブリは厚生労働省から「衛生害虫」にも指定されている。衛生害虫とは、薬機法で規定された害虫で、伝染病の病原体を運んだりすることにより、私たちの健康を脅かす存在とされている。
ヤツらを退治するにはどうしたらいいのか。だが、私たちは意外とゴキブリのことを知らない。ネット上では様々な憶測が飛び交い、眉唾モノの対策法まで拡散される始末。それほどまでにゴキブリと私たちの生活は切っても切れない腐れ縁とも言えるだろう。
ゴキブリ対策といえば、『ごきぶりホイホイ』のアース製薬だ。同社の殺虫剤カテゴリーでブランドマネージャーを務める渡辺優一氏は、なんと約60万匹のゴキブリを飼育室で育てた経験をもつ。今回は、そんな害虫の専門家にゴキブリの生態と対策法の真偽を聞いてみた!
ゴキブリを効率良く倒すためには、まずはその生態から探っていきたいと思う。
「暗くて暖かい場所、隙間や狭いところを好み、ジメジメした湿気の多いところに集団で住んでいます。ゴキブリは夜行性なので、人間が寝静まった頃にひっそりと移動します」
たとえば、家ではどのような場所にいるのだろうか。
「いちばんよくいるのはキッチンです。具体的には冷蔵庫の裏など(冷蔵庫はずっと稼働しているので、暖かくなっている)。とはいえ、わざわざ調べてみない限りはなかなか発見しにくい場所。ゴキブリは基本的には警戒心が強いので、出てくるということは何か理由があるんですね。エサや水が欲しかったり」
やはり、そこはエサが豊富なキッチン。生ゴミはもちろん、小さな米粒や食べカスなども見逃さずに群がっているイメージがある。それだけ“嗅覚”が優れているのか。
「じつは、ゴキブリは嗅覚というより、頭部の“触角”でいろんなことを感知しているんです。物理的なものはもちろん、ニオイまで触角で察知します」
ゴキブリは、触角の嗅感覚子にある受容細胞により様々なニオイを感じ取ることができるのだという。では、外にいるゴキブリが「この家はエサがありそうだ」と近寄ってくることもあるのだろうか。
「いいえ、そこまでの感覚ではありません。たまにニュースでも話題になっているゴミ屋敷など、よっぽどのニオイを発している場合は別ですが……」
とはいえ、もしも寝室で寝ているとき、パジャマなどに食べカスなどが付いていたら、近寄ってきてしまうこともありえる気がする。
「ゴキブリは警戒心が強いので、動いているモノに対しては逃げると思います。ですが、暗い寝室で動かずに寝ていたら“人間をモノとして認識する”こともあるかもしれません。その場合は、パジャマの食べカスに寄ってきてしまうことも無きにしも非ず、だと思いますね」
ゴキブリの生態を害虫専門家に聞いてみた!
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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