『鷹の爪』と山田孝之の考えは近い!? バットマンを演じ終えて語る俳優・声優論
スーパーマンやバットマンなどを擁するジャスティス・リーグが、本家の映画よりもひと足早く日本に上陸! 吉田くんや総統たち『鷹の爪』のメンバーと、10月21日全国公開の映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』で共演を果たす。異色のコラボもさることながら、バットマン役の山田孝之を始め、ハーレイ・クインを知英、ジョーカーを安田顕が演じるなど、豪華なキャストも話題になっている。
これだけ人気の俳優を集めて、いつも問題になる予算は大丈夫かと思いきや、収録はおもにDLE社内の1畳しかない録音ブースで行われたとのこと。これなら予算の面では安心だが、俳優陣はノビノビと演技をできたのだろうか? バットマンを演じた山田孝之氏を直撃したところ、「『鷹の爪』の世界にスッと入ることができました」と振り返る。
「映像の様式を裏切ったり、見られたくないところをあえて見せたり……。『鷹の爪』がやっていることと、僕がやっていることは近いと思います。やりたいこと、やっていること、やろうとしていることが理解できるので、作品の世界には入りやすかったですね」
バットマンの収録には、特に役作りをせずに臨んだという。
「バットマンは多くの役者さんが演じていますが、人気のあるキャラクターなので、大富豪で苦悩のヒーローというバットマン像がすでにあるじゃないですか。演じるにあたって、悩んでいる雰囲気を出しつつ、渋めな声を出せばいいだろうと考えて収録を行いました」
そんな山田孝之さんは、自他ともに認めるバットマンファン。「正直、うじうじと悩むぐらいなら、ヒーローを辞めればいいのにと思うこともありますが(苦笑)、バットマンは苦悩する姿がいい」とその魅力を教えてくれた。
「アメコミに興味を持ったのは、10代の頃に『スポーン』にハマったのがきっかけです。当時は吉祥寺に住んでいたので、俳優のギャラが入ると中野ブロードウェイに足を伸ばして、スポーンやバットマンのフィギュア、玩具を買い漁りました。ある程度お金を自由に使えたので、作品やジャンルを問わず、いいなと思った玩具は迷わず購入しましたね」
御存知の通り、山田孝之氏は俳優だけではなく、声優やナレーターとしても活躍している。俳優と声優。どちらも役を演じる仕事だが、「役を演じる上で、俳優と声優はそれほど変わらない」と語る。
「ただ、海外のアニメは俳優が演じることが多いですが、日本では声優が演じるのが一般的です。それに日本は吹き替えの文化が根付いているので、声優さんの抑揚をつけた喋り方が馴染んでいます。以前は、この抑揚をつけた喋り方が不自然で、自分で演じるには抵抗がありましたが、ナレーションの仕事を続けるうちに、ハイブリッドと言いますか、抑揚をつけすぎず、自然な演技ができるようになりました」
バットマンだけではなく、『ジョジョの奇妙な冒険』や『テラフォーマーズ』、『信長協奏曲』など、山田孝之氏はマンガ原作の作品に出演することが多い。マンガ原作のキャラクターを演じるにあたって、どこが難しいのかを聞いてみた。
「マンガ原作のキャラクターを演じる良し悪しはありますね。台本や設定などから役を作る楽しみもありますが、マンガ原作の場合はビジュアルやキャラクターがすでにできあがっているので、役をイメージしやすいです。ただ、マンガだから成立しているところもあるので、不要な部分は入れないようにして、足りない部分を追加するようにしています。それにアニメではなく、実写にするのなら、生の人間が演じているリアリティや躍動感、力強さも活かすべきだと思います」
山田孝之氏の役者論の1つの答えを、『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』で体験してみてはいかがだろうか。
取材・文/黒田知道 織田曜一郎(週刊SPA!) 撮影/市原浩二
俳優と声優。キャラクターを演じる上で差はない!?
『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』
2017年10月21日 全国ロードショー
http://dc-taka.com/
『クソアニメと呼ばれて10年~『秘密結社 鷹の爪』10年史 』 『秘密結社 鷹の爪』の10年の歴史を総ざらい!! |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ