そこそこの偏差値で就職に強い大学――国士舘大は消防士分野、文教大は教育分野のスペシャリスト
「全入時代」を迎えた大学市場だが、現在大きな変化が起きている。大学が狭き門だった時代に受験をした中高年には、思いもよらなかった大学が人気を博しているらしい。団塊世代の知らない最新の人気大学勢力図やいかに!?
ずっと不況の時代を生きてきた近年の受験生たち。「受験の時は就職率や専門分野の会社のOBの多さを見ていた」(法政・4年・男性)なんて声もあり、大学研究家の山内太地氏も「中途半端なゼネラリストを養成する名門大学の学部より、スペシャリストを養成する中~下位の私大が今は人気がある」と話す。
「例えば国士舘大学は消防士の分野で日本一。救命救急士の資格が取れるスポーツ医科学科は、救急車も3台保有しています。帝京科学大学、帝京平成大学も、リハビリや救命救急の就職に強い。これらの大学は専門学校がライバルなので、就職への力の入れ方も並ではありません。また教育分野では、文教大学の教育学部は小中学校の先生を目指すなら国立大より有利。偏差値は決して高くない明星大学や二松學舍も、教師を目指す人にはいい大学です」(山内氏)
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「就活の指導に力を入れる大学も人気」と話す。
「例えば大阪経済大学は、現役の企業の採用担当者らが審査員を務めるプレゼン大会も開催。また偏差値的には中位程度の桃山学院大学、京都橘大学、帝塚山大学なども、学内に1・2年時から就活の準備ができる就活サークルなどがあり、受験生にも人気なんです」
そのほか「実質就職率が7年連続女子大1位の昭和女子大学、出身者の企業トップが近年増えている東京経済大学なども注目」(石渡氏)とのこと。「一流企業に就職する人が少ないから、こういう話は産業界では知られてない(笑)」(山内氏)というのも今の受験業界ならではの面白さだ。
スペシャリスト養成の中~下位私大が特定業界への強さで人気
1
2
この特集の前回記事
ハッシュタグ