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英検2級で大学4年間の授業料がタダ!? そこまでして学生が欲しい理由

「全入時代」を迎えた大学市場だが、現在大きな変化が起きている。大学が狭き門だった時代に受験をした中高年には、思いもよらなかった大学が人気を博しているらしい。団塊世代の知らない最新の人気大学勢力図やいかに!? オッサンが知らない[人気大学]2018

英検2級で学費がタダ!? 給付型奨学金で県下トップ校へ

 最近、奨学金返済に絡む自己破産が問題になっているが、そんな時代にあって、「ハードルが低い」奨学金で注目される大学がある。  今年1月、入学時点で英検2級か日商簿記2級を所持している学生を対象に4年間の授業料を全額免除する奨学金制度を発表した横浜商科大や、英検2級を条件に授業料・施設料が4年間免除の奨学金制度を導入した千葉の川村女子大だ。
オッサンが知らない[人気大学]2018

横浜商科大のホームページ。共愛学園前橋国際大のように、近い将来、県下上位の私大へと変貌する可能性は大いにある

「こうした一見緩すぎるように思える返済義務のない奨学金制度は以前から大学業界にありました」と大学ジャーナリストの石渡嶺司氏。 「’02年に群馬県の共愛学園前橋国際大で導入したのが最初だといわれています。’99年に開学したばかりの大学で、当時は定員割れでFランク寸前。英検2級の保有者が志望するような大学ではありませんでした。そこで起死回生の学生集めの秘策のひとつとして打ち出したのが、英検2級や日商簿記2級、情報処理技術者試験の合格者への学費全額免除だったわけなんです」  厳しい受験競争を経験した40代には破格の条件に思えるが、大学研究家の山内太地氏は「驚くことではない」と話す。 「『たかが英検2級かよ』と思うかもしれませんが、あるレベルより下の大学には英検2級レベルの学力を持った学生すら入りません。しかし、なかには経済的な理由から大学進学が難しいコもいます。そんな学生には大学進学のチャンスですし、大学側も優秀な学生を手に入れることができるわけです」
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大学側のメリットのほうが大きい
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