メンズファッションバイヤー＆ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第190回目をよろしくお願いします。 　ユニクロやGUでもすっかり秋冬物が並んでおります。「この時期に秋物だなんて、ずいぶん気が早いな」と思うかもしれませんが、実はそんなこともありません。 　洋服は「売り切れ御免」の世界。服を作るには素材を確保する必要があり、また縫製する工場の空きを押さえる必要があります。だからこそ半年前に企画してようやく生産に着手できるのが普通。売れたからといって簡単に追加できない世界なのですね。 　だからこそ洋服は早めのチェックが大事です。夏に秋物、秋に冬物と先に先にチェックすることでサイズも色も豊富な時期に選ぶことができます。オンシーズンに選ぶことは、つまり「売れ残り」から選ぶようなもの。この時期に秋物をチェックするのは決して早すぎるワケではないのです。 　……ただ当然「ただ早くチェックすればいい」というものでもありません。玉石混交の中、きちんと良品or悪品を見極める必要もあります。そこで今回は「ユニクロ・GUで見つけた秋服ワーストバイ品」をご紹介します。 ●UNIQLO エクストラファインコットンブロードチェックシャツ（ボタンダウン・長袖） 1990円（＋税） 　「今年の秋はチェックがトレンド」。ちょっと洋服に敏感な方なら耳にしたことがあるかもしれません。無地ばかりのシンプルスタイルが昨今多かったため、その反発で徐々に徐々に柄物に注目が集まっています。 　この夏は縦線のストライプ柄など多く見かけましたが、秋はさらにもう一本横線が増えたチェック柄がトレンドに。無地のシンプルなスラックスやスキニーにチェック柄のトップスをあわせた「シンプルだけど地味になりすぎないスタイル」が秋の着こなしとなりそうです。 　しかしながら「チェックならば何でもいい」というわけでもないのがファッションの難しいところ。チェックの肝は「色数」と「色彩」にあります。あまりにも派手な色彩を使ったり、あまりにも色数が多かったりするとどうしても子供っぽくなるもの。 　こちらのチェックシャツ……なんだか「昔のオタク」を思い出す柄使い。こうしたダサめのチェック柄を「ナード」として上手に着こなすテクニックももちろんありますが、リテラシーがなければ懐かしの「電車男」になること請け合いです。自信がない方は避けておいたほうが良いでしょう。 ●UNIQLO ケーブルカーディガン（長袖） 3990円（＋税） 　ざっくり編みのニットもこの秋注目されているアイテムのひとつ。上のチェックと同じような発想です。シンプルなツルッとした無地ニットもいいのですが、生地に凹凸があり表情のあるざっくりニットが好まれはじめています。今年の秋は「シンプルから半歩先に進んだデザイン服」を求めるといいでしょう。 　さて、こちらのケーブルカーディガン、生地に凹凸があり、確かに今年のトレンドには合致しているのですが……いかんせんあまりに温かみのあるデザインで、普通にチノパンなどに合わせてしまえば「ただの近所のおっさん」になります。例えば、ボリュームのあるカジュアルニットだけに細身のスキニーと革靴で合わせる……など着こなし方がわかればいいのですが、パッと羽織っただけではどうしようもないほど「近所のおっさん」感が出てしまいます。 　特にブラウンやオフホワイトなどは注意。40代以上の方はこれを着てチノパンを穿けば回覧板が似合うコーディネートに早変わり。ネイビーなどはボリューム感がなくダークトーンでフォーマルな印象が強くなるのでオススメですが。