メンズファッションバイヤー&ブロガーの
MBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第245回目をよろしくお願いします。

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)
ユニクロにも最近、ビジネスカジュアル用の商品が増えてきました。
スーツもシャツもネクタイもすべてユニクロで揃う時代になってきましたね……しかし! しかし! 残念なことにユニクロは商品を明確にカテゴリ分けしていません。
「これはビジネス推奨だよ」「これはカジュアル推奨だよ」とあまり明確にしておらず、それだけにファッション初心者が間違って、カジュアルパンツをビジネスで使ったりと混乱を招いてしまっています。
そこで、今回は「ユニクロでビジネス用に買ってはいけないワースト5」をお届けします。カジュアル品としては優秀だけど、ビジネスとしては使っちゃマズい、そんな混同しがちなアイテムを5つ紹介しましょう。買い間違えのないように!
▼ビジネス用途のチノパンなら素材とシルエット重視で!
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ヴィンテージレギュラーフィットチノ(すっきりテーパード) 2990円(+税)

ビジネスカジュアルでチノパンを選ぶ人もいますが、上手に着ている人はカジュアルに寄りすぎないように素材やシルエットを見ています。
ビジネスカジュアルとはつまり「スーツスタイルをわずかに崩したもの」。ネクタイを外しジャケットをなくしてはいますが、普段着とは異なり「ちゃんとした」印象を与えるのがTPOです。
どんな服装でも許される普段着とは異なり、ビジネス”カジュアル”と名がついていてもやはり仕事着としてシャンとする必要はありますよね。
チノパンやデニムパンツなどはカジュアルの代表的なアイテム、それだけに普段着同様の素材シルエットを選んでしまうと、どうしてもだらしない印象になりがちです。例えば、こちらのヴィンテージレギュラーフィットチノもそう。ガサガサとした固めの素材感はシワがつきやすく、またシルエットも細身になりすぎないややゆったり気味のかたちです。
スーツのスラックスはシワがなくツヤのある素材を選び、グッと細身のものをチョイスするのがセオリーですから、真逆です。どんなに白シャツや革靴で合わせたとしてもどこか「普段着感」のある印象となり、ビジネスのTPOを逸脱してしまうでしょう。
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感動パンツ(ウルトラライト・コットンライク)セットアップ可能 3990円(+税)

同じようなベージュカラーパンツを選ぶにしても、ビジネスならこちらがおすすめ。センタープレスが入っており、サラリとしたツヤのある風合い、細身のすっきりしたラインといいスーツスラックスに近い素材感とシルエット。これならチノベージュでもビジネス風のTPOを作ることができます。同じようなベージュカラーのパンツですが、買い間違えのないように。カジュアル用とビジネス用では選ぶモノも違うのです。
▼ライン入りポロシャツはスポーツテイスト満点でビジネスに不向き!
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ドライEXカノコポロシャツ(ライン・半袖) 990円(+税)

クールビズに欠かせないポロシャツですが、ここにもカジュアル用とビジネス用の隔たりがあります。さまざまな要素がありますが、そのひとつは「柄」です。
スポーツ用のポロシャツによく見られる仕様ですが、襟や袖先にラインが入ったものがあるでしょう。これをスーツ用に使ってしまうと、まるで「スポーツ選手の記者会見」みたいななんとも言えない違和感が生まれます。
ファッションに興味のない人からすると「同じポロシャツだからいいだろう」と思うかもしれませんが、実はちょっとしたラインで印象はかなり変わるもの。アディダスのジャージ然り、スポーツポロシャツ然り、スニーカー然り、スポーツ用品にはチームカラーを表現する理由もあり、ラインが入ったものが多い。
他方、シャツはドレスウェアであるほど無地を好みます。黒や白などのシンプルシックなものがビジネスやドレスでは正装にあたる。だからこそポロシャツでもラインなどのデザインがあるほど日常着的な印象が強くなるのです。
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エアリズムフルオープンポロシャツ(半袖) 1290円(+税)

選ぶならこうした無地のものがおすすめ。また、できればカッターシャツと同様に「台襟」があるものを選ぶとさらにいいでしょう。シャツやネクタイからわかる通り、フォーマルな装いは襟の高いものが基本です。襟が寝ているポロシャツよりも台襟のあるシャツカラーのポロシャツがTPO的には正しいですよ。