『はじめの一歩』21勝1敗(21KO)の戦績を引っさげ世界挑戦の機をうかがう!
福岡ソフトバンクの「あぶさん」こと景浦安武が現役引退。そのニュースは新聞の社会面にも載った。20年、30年と続くマンガは、もはや単なるフィクションじゃない。が、あまりに長くてフォローしきれないのもまた事実。そんな長寿マンガの「今」を一挙ご紹介!
『はじめの一歩』
森川ジョージ 「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載中
’89年連載開始
【作品解説】
いじめられっ子だった少年・幕之内一歩がボクシングと出合い、ライバルたちと戦いながら成長していく。家業の釣り船屋を手伝うことで鍛えられた筋力で繰り出されるハードパンチと、どんな逆境でも折れないハートが武器。『あしたのジョー』『がんばれ元気』と並んで、ボクシングマンガ史上に残る傑作だ。
21勝1敗(21KO)の戦績を引っさげ世界挑戦の機をうかがう!
連載開始からちょうど今年で20周年。しかし、物語の中ではまだ数年しか経っていない。
「一歩だけでなく、ほかのキャラの試合もじっくり描くので、どうしても展開が遅くなる。でも、試合シーンはスピード感も迫力もあるし、飽きませんね」(南氏)
デビュー戦のTKO勝ちから始まって、東日本新人王、全日本新人王、A級ボクサー賞金トーナメントとすべてKOで勝ち上がり、11戦目で日本タイトルに挑戦。そこで初めての黒星を喫する。
「この伊達英二との試合と、伊達が返上した王座に就いたライバル・千堂武士を倒して日本チャンピオンになった試合が、盛り上がりの点では最高でしょう」(同)
その後、一歩は時に苦戦しながらも、KO勝ちで王座防衛を重ねている。通算成績は21勝1敗(21KO)。そろそろ世界王座挑戦の声が出てもおかしくないが……。
「辰吉の8戦目は例外としても、内藤大助も21戦全勝で世界戦に挑んでますからね。一歩も今、世界戦の挑戦権を得るべく、タイ、フィリピンの国内王者を倒して、インドネシア王者との試合に臨むところ。これに勝てば、いよいよ世界が見えてくるはず!」(同)
【南信長氏】
1964年、大阪府生まれ。マンガ解説者。『朝日新聞』『アサヒ芸能』『月刊サーカス』でマンガ評連載中。著書に『現代マンガの冒険者たち』
― 大長寿マンガの[今こうなってる事典]【4】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ