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ついに現役引退の『あぶさん』37年の現役生活最後の打席は代打サヨナラホームラン!

福岡ソフトバンクの「あぶさん」こと景浦安武が現役引退。そのニュースは新聞の社会面にも載った。20年、30年と続くマンガは、もはや単なるフィクションじゃない。が、あまりに長くてフォローしきれないのもまた事実。そんな長寿マンガの「今」を一挙ご紹介!

『あぶさん』
水島新司 「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて連載中
’73年連載開始


【作品解説】
 酒をこよなく愛するスラッガー「あぶさん」こと景浦安武の活躍を描く。ノンプロをクビになったところを拾われ、南海ホークスに入団。当初は代打専門だったが、19年目から4番レフトでフル出場、3年連続三冠王を獲得する。現実の野球界の動きとリンクし、実在の選手も登場するプロ野球マンガの金字塔だ。

37年の現役生活最後の打席は代打サヨナラホームラン!

 あぶさんがプロ入りしたのは’72年オフ、あのノムさんがプレイングマネジャーを務めていた時代である。それから37年、ホークス一筋を貫いたあぶさんが、ついに今年で現役生活にピリオドを打った。

「来るべきものが来た、という感じですね。というか、62歳まで現役だったことに驚きますが(笑)、それも作中の時間が現実世界と同じように流れている『あぶさん』ならではの偉業と言うべきでしょう」(南氏)

 長いプロ人生の間に、球団は南海→ダイエー→ソフトバンクと変わり、あぶさん自身も代打から不動の4番に。行きつけの飲み屋「大虎」の看板娘・サチ子と結婚、景虎、夏子の2児をもうける。

「景虎がプロ入り、親子対決で三振して引退……という予想は外れましたね(笑)。甲子園で大活躍してドラフト1位で近鉄に入団した景虎は、球団合併したオリックスを経て、阪神に移籍。その間もあぶさんはバリバリ現役です」(同)

 そんな鉄人・あぶさんも実は’08年オフ、王監督の退任を受けて自分も引退を決意。しかし、王監督から秋山新監督を支えてくれと頼まれ、現役続行。それを知った景虎はFAでホークスに移籍する。

「最後の最後で”父子鷹”を実現させたのは水島さん一流の演出でしょうか。あぶさん引退と同時に野村監督も退任というのも何かの因縁を感じますね」(同)

 あぶさん最後の打席は、豪快な代打サヨナラホームラン。引退後も連載は続いているが、はたしてあぶさんの今後は?

「普通に考えれば、コーチか監督になるんでしょうが、意表を突いて俳優に転身とか。『ラストサムライ』的な映画でハリウッド進出というのもいいですね」(南)

 水島先生、いかがでしょう?

【南信長氏】
1964年、大阪府生まれ。マンガ解説者。『朝日新聞』『アサヒ芸能』『月刊サーカス』でマンガ評連載中。著書に『現代マンガの冒険者たち』

― 大長寿マンガの[今こうなってる事典]【1】 ―




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