『ドカベン』“小さな巨人”里中は山田の妹サチ子と結婚していた!

福岡ソフトバンクの「あぶさん」こと景浦安武が現役引退。そのニュースは新聞の社会面にも載った。20年、30年と続くマンガは、もはや単なるフィクションじゃない。が、あまりに長くてフォローしきれないのもまた事実。そんな長寿マンガの「今」を一挙ご紹介! 『ドカベン』シリーズ 水島新司 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中 ’72年連載開始 【作品解説】  ドカベンこと山田太郎は、高校野球の常勝校・明訓高校の名捕手にして強打者。バッテリーを組む里中、悪球打ちの岩鬼、秘打の殿馬らとともに甲子園で活躍。のちに彼らはプロへ進む。70年代に野球マンガとして一時代を築き、TVアニメも大ヒット。シリーズ全体で150巻を超す、世界最長のスポーツマンガである。 “小さな巨人”里中は山田の妹サチ子と結婚していた! 『ドカベン』は高校3年生の春の選抜大会までを描き、続編『大甲子園』では各社各雑誌の水島野球マンガキャラクターが大集合、3年生夏の「夢の対決」を描いた。『ドカベン プロ野球編』では山田が西武、里中はロッテ、岩鬼がダイエー、殿馬がオリックスへと、各人がプロの道へと進んでいる。 「同じ作者の『あぶさん』のようにマンガキャラと実在選手がペナントレースを争ったのですが、残念ながらホークスにあぶさんはいませんでした(笑)」(斎藤氏)  彼らは物語終盤でFAを宣言、連載中の『スーパースターズ編』ではパ・リーグ新設球団に山田・岩鬼・里中・殿間らが移籍する。  ’05年、山田たちは『野球狂の詩』の水原勇気が監督となって率いている札幌メッツと戦う。 「同じ試合を同じ木曜日発売の2雑誌で、両軍の視点から7週にわたって描き分ける、画期的なドリーム対決でした」(同)  本シリーズでは岩鬼、里中、サチ子(山田の妹)の間に微妙な三角関係が成立していたが、岩鬼は’08年、離婚して連れ子のいる「夏子はん」と結婚、里中も同年シーズン後にサチ子と結婚した。 「里中の女房役(捕手)が義兄になるとは! こんな運命の転変も、長編ならではの醍醐味です」(同) 【斎藤宣彦氏】 1968年、東京都生まれ。編集者。京都国際マンガミュージアムで開催中の『サンデー・マガジンのDNA』展を監修。共・編著多数 ― 大長寿マンガの[今こうなってる事典]【2】 ―
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