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40歳で月収25万円のゲーセン正社員。出世より“好き”を選んだ男は幸せなのか?

 7割は課長になれないと言われて久しい。実際、40歳以上の未役職者は60%を超え、多くの人が万年ヒラ社員の憂き目に遭わされている。出世を諦めた男たちは今、何を思い、どんな毎日を送っているのだろうか。諸事情あって“万年ヒラ”に陥ったOVER40サラリーマンを直撃。これまでの会社人生を振り返ってもらった。
ゲーセン

※写真はイメージです

「出世」より「好き」を選んだ男は幸せなのか?

「もともとは、ここのゲームセンターの常連客だったんです」  そう話すのは、西多摩にある中規模チェーンのゲームセンターで働く福田健助さん(仮名・40歳)。25歳のときにアルバイトから店舗限定の正社員になり15年目。本社勤務ではない、役職と無縁の環境で働き続けている。 「バイト時代の月19万円から月25万円と年2回のボーナスが出るようになりましたが、昇給はほぼありません。6年前から副店長になっても仕事量が増えただけでヒラと同じ扱い。ただ、出世より好きな空間で働けているので特に不満はないです」  とはいえ、ゲーセンという20代前半の若いアルバイトばかりの環境で気苦労も多いとか。 「仕事の意識が低いコが多くて、勤務態度を注意しても睨まれたりシカトされたりします。彼らがお客と揉めた際の対応も店長から押しつけられるのでボイスレコーダーは常備していますね。ウチは人手が少ないですし、簡単にクビにもできないんですよ」  また近年は、他社の大型ゲーセンにお客が流れて業績も悪化。系列店が次々と閉店し、同世代の社員はほとんど辞めたという。 「それでもウチみたいな古いゲーセンに長年通ってくれる中高年の常連がいる。ほかに職歴もない自分のようにゲーセンにしか居場所がつくれない人も多いんですよ。そういう場所を守りたいという勝手な使命感が仕事を続けているモチベーションです。結婚? メリットを感じないですし、興味もないですね(笑)」  数年後には、彼自身の居場所がどうなっているかわからない。 死ぬまでヒラ社員撮影/スギゾー モデル/與那覇 実 ― 死ぬまでヒラ社員の衝撃 ―
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