妻からのDVが原因で浮気をした夫。裁判では勝ち目がないと言われ…
「妻のDVが原因でつい浮気をしてしまいました。それが妻にバレるとDVがさらにエスカレートしたため、離婚を決意したんです。ところが相談した弁護士に、『離婚にあたって非常に不利な立場にある』と指摘されたんです」
「3歳年下の妻は取引先の従業員で7年前に知り合って結婚しました。彼女は専業主婦で、5歳の息子が誕生してから育児疲れになりました。そこから、僕に暴言を吐くようになったんです」
仕事柄、接待などで帰宅が遅くなる内海さん。帰宅すると妻から、「どうせ酒飲んで遊んでるんだろ。もっと早く帰ってこい」とか「稼ぎが悪い、時給100円だろ!」と数々の暴言を吐かれる。だが、彼を苦しめるのはそれだけではない。
「暴言だけでなく、吸いかけの火が付いたタバコを投げつけてくるようになって。しかもそれが子供に当たりそうになったことも」
当然、「子供に当たったらどうする」とたしなめた。だが効果はなく…。
「逆ギレされて顔、肩などバシバシ叩いてきて。子供もいるし離婚は避けたいけど、この生活では息が詰まる。そんな思いを抱えていたとき、つい魔が差して取引先の若いOLと浮気をしてしまったんです」
だが数か月後、浮気相手とのLINEを妻に見られてしまう。当然、彼女は激高しますますDVがエスカレートしていった。
「さすがに『もう無理だ』と感じ離婚を決意しました。そこで弁護士に相談に行ったら、『家庭裁判所ではDVよりも不貞行為の方が罪が重い。かなり難しいです』と言われました。そもそも浮気も妻のDVが原因なのに、離婚できないなんてどうしたらいいんだ…」
内海さんは出口のないまま、今も妻のDVに耐える日々だ。
気落ちした表情を浮かべる製造業営業マン・内海准一さん(仮名・38歳)。
警察庁がまとめた全国のDV相談件数は右肩上がり。平成29年の「配偶者からの暴力」相談は7万2455件にのぼるが、うち17.2%は「男性が被害者」である。
1992年から「離婚110番」を主宰する澁川良幸氏(離婚カウンセラー・夫婦問題アドバイザー)のところに、妻からのDVについての相談が数多く寄せられる。そこで、澁川氏から内海さんのケースと解決までの経緯を聞いてみた。
育児疲れが原因で、妻がDVをするように
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